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暑い夏を乗り切る! 高齢チンパンジー「デッキー」と「ペコ」の食事のくふう
 └─ 2025/08/29
 多摩動物公園では現在、子どもからおとなまで幅広い年代のチンパンジーたちがくらしています。今回はその中で、高齢チンパンジーの「デッキー」(オス、推定47歳)と「ペコ」(メス、推定64歳)のえさのくふうについてご紹介します。

 野生のチンパンジーの平均寿命は約40年とされ、デッキーもペコもかなり高齢なチンパンジーといえます。どちらも健康管理の一環として毎月体重測定をおこない、体重の増減や、毎日の採食量を確認しながらえさのメニューを考えています。

 チンパンジーは本来雑食性ですが、植物を中心に採食するため、多摩動物公園では健康を考えて野菜を中心としたえさを用意しています。しかし、デッキーとペコはあまり野菜が好きではありません。さらに、真夏は暑さのため食欲が落ちてしまいます。そこで、しっかりとえさを食べて健康にすごしてもらえるようにさまざまなくふうをしています。

 デッキーは、トマトやナスなど苦手な野菜が多いため、通常夕方ひとりで寝室に戻ったときに与えている野菜を、朝や日中にトレーに分けて与えています。日中は気分転換になるためか、食べてくれることがよくあります。しかし、とくに好きではないピーマンやゴボウを食べているときは、ひと口サイズにして渡しても、さらに小さくちぎってゆっくり食べたり、ベッド(チンパンジーは休むときに、枝を折り曲げてベッドを作ります)の一部にしたりするなど、仕方なく食べていることがよく伝わってきます。

 また、子どものチンパンジーにねだられると、好きではないものはすぐに渡してしまいます。そこで、残しがちな野菜をしっかり食べるよう、デッキーにはスムージー(野菜、水、少量の野菜ジュース)を作ることにしました。


スムージーを飲むデッキー

 ペコには、苦手な野菜を茹で大豆に置き換えましたが、チンパンジーの飽きやすい性質のためか、大豆を食べない日が続いてしまいました。さらに葉食性サル用ペレット(おもに樹木の葉を食べるサルのために作られた専用の飼料)や、好きだったニンジンも残すようになったため、ペコにもスムージー(茹で大豆、ペレット、ニンジン、少量のはちみつ)を作ることにしました。結果、デッキーもペコもスムージーのおかげで必要な量を摂取し、なんとか夏は乗り切れそうです。

 デッキーとペコはお互い近くですごすことが多く、いっしょに遊んでいる姿もよく見られます。これからもなかよく健康にくらしてもらいたいと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 橋本〕

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