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140周年企画ズーネット連載「上野動物園 この10年──変貌を遂げる入場門」案内係
 └─ 2022/10/01
 上野動物園には、東園に1ヵ所、西園に2ヵ所の入場門があります。これらの入場門で、最初にお客さまをお迎えするのが案内係のスタッフです。案内係のスタッフは、日々たくさんのお客様に入園券の販売や改札業務、園に関するさまざまなご案内をおこない、お客さまが園内で楽しくおすごしいただけるよう努めています。

 このように案内スタッフが活躍している入場門ですが、この10年で大きく変貌を遂げました。

 まず2017年7月、西園にある「子ども動物園すてっぷ」のリニューアルオープンに合わせて、弁天門が生まれ変わりました。これまでは出口専用門として運用していましたが、アメ横など上野の街を訪れる人々が当園にもお越しになれるよう、新たに入園もできるようになりました。これにより、上野周辺の鉄道各線や上野市街地からのアクセスが大きく向上しました。


弁天門

 その翌年の2018年6月、表門の整備工事に向けて東園の入場門が一時的に仮設表門へ変更になりました。そして、これまで利用していた表門の取り壊しやさまざまな準備を経て、新たな表門を建設するための本格的な工事が始まろうとしていました。

 ところが、上野動物園がある「上野の山」と呼ばれる地域は、全体が地中に遺構などが多く残る埋蔵文化財包蔵地に指定されており、本格的な工事をおこなう前に埋蔵文化財発掘調査をして遺構があるか調べる必要がありました。当園ももちろんその対象であることから、台東区および東京都の教育委員会に届出をし、2020年9月に調査を実施しました。その結果、実際に文化財が発掘されたため工期が延長になり、「仮設表門」は当初の予定より長く運用することになりました。


仮設表門

 そして約4年の整備工事を経て、2022年3月に表門はリニューアルオープンしました。特徴的な門の屋根の上には、大きな「上野動物園」のサインが設置されています。JR上野駅公園口の正面からよく見え、上野公園を訪れる方々に広く当園の存在をアピールしています。

 現在、開園140周年を記念して園内でさまざまな企画が開催されています。各入場門ではさらに盛り上げるため、140周年を記念した連続旗を掲げてみなさまをお迎えしています。園内にもさまざまな場所で連続旗を掲げていますので、園内観覧を楽しみながら探してみてください。

 また、この工事期間中、入園券や年間パスポートの購入方法も多様化しました。いままでの入園券や年間パスポートの支払方法は現金のみでしたが、2019年9月に、係員のいる入園窓口で入園券や年間パスポートをクレジットカード・電子マネーで購入できるようになりました。同年11月には仮設表門と弁天門でQRコード決済実証実験事業が開始され、現在は、すべての門でQRコード決済サービスがご利用いただけます。

 さらに、2021年7月にはオンライン決済による入場券(オンラインチケット)の販売が開始され、キャッシュレス決済サービスの幅がさらに広がりました。


新しくなった表門(正門)

 今後も新たな整備に向けて園内各所で工事が続いていきます。日々園内のようすは変化していきますが、案内係のスタッフはお客さまに楽しくおすごしいただけるよう、これからも変わらず各入場門でお客様をお迎えしてまいります。

 みなさまのご来園を心よりお待ちしています。

〔上野動物園案内係 原かえで〕

◎140周年企画ズーネット連載「上野動物園この10年」
日本産希少野生動物の保全について
新たな一歩をふみだす「子ども動物園すてっぷ」
教育普及事業の変遷
動物病院の建て替え

(2022年10月01日)


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