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140周年企画ズーネット連載「上野動物園 この10年──教育普及事業の変遷」教育普及係
 └─ 2022/09/01
 1882年(明治15年)に開園し、今年140周年の節目を迎えた上野動物園。「はじまりはいつも上野から 動物園が、未来の動物たちにできること」をキャッチコピーに、年間を通してさまざまな企画を教育普及係が中心となり実施しています(詳しくはこちら)。


 教育普及事業の10年間を振り返ると、もっとも変化を実感するのは、ICT(情報通信技術)に関わる分野です。

 まず「東京ズーネットYouTubeチャンネル」が、2012年5月4日に開設されました。後に専用のチャンネルを開設した葛西臨海水族園を除く、都立動物園に関する動画を配信しています。チャンネル登録者数は5.2万人、これまでに計2,400万回の視聴回数が記録されています(2022年8月末現在)。人気動画の上位はほぼジャイアントパンダが占め、多いものは30万回以上再生されるなど、多くの方々に利用されています。


東京ズーネットYouTubeチャンネル

 2013年2月20日には、上野動物園の「公式ツイッターアカウント」が開設されました。2017年2月14日にフォロワー数20万人を突破した後、順調にフォロワー数を増やし続け、同年10月8日に50万人、翌年の2018年4月30日には100万人を達成し、現在は107万人前後のフォロワー数を維持しています。

 2022年3月20日からは、1年間限定で140周年特設インスタグラムアカウントを開設。いろいろな動物の写真や動画をはじめ、140周年の各種イベントのお知らせなどを発信しており、「世界カワウソの日」の特別企画として5月23日(月)には、上野動物園初のインスタライブを配信しました。フォロワーは約7,700人となっています(2022年8月末現在)。


上野動物園公式ツイッター 「祝100万フォロワー」

 新型コロナウイルス感染症感染拡大により、上野動物園は2020年2月29日から6月22日、12月26日から2021年6月3日、2022年1月11日から3月21日までと、三度にわたり臨時休園し、長い上野動物園の歴史のなかでも前例のない事態となりました。さらに、再開園後も感染症対策のため、年間の普及事業計画は大幅に変更され、対面式のイベントは開催方法の変更を余儀なくされました。

 動物の体やくらしについて学ぶ体験型のイベント「サマースクール」は、夏休みの恒例行事として長らく定着してきました。しかし、2019年に「うえのZOOスクール」と名称変更し、猛暑を避け6月下旬から7月上旬に実施しました。その後2020年には、新型コロナウイルス感染症対策のため、初めてウェブによるリモート方式にて開催しました。

 2020年9月からは、都内の小中学校に向けてオンライン授業を開始。さらに「TOKYO ZOO WELCOME CENTER」を改装し、オンライン専用拠点として「UENO ZOO STUDIO」が2022年4月にオープンしました。オンライン授業や教員との事前打合せをおこなうほか、授業のようすやスライドの内容を来園者に向けてガラス越しに公開し、上野動物園の教育事業についてのPRを図っています。2022年7月末までに、72校6,452名の児童生徒に対してオンライン授業を実施しました。


UENO ZOO STUDIO 外観

 情報通信技術の進歩により、さまざまな手段で直接、動物園から多くの方々へ、広く情報発信できるような時代となりました。新たな技術を効果的に取り入れながらも、「本物の動物」を飼育展示している動物園として、生き物について「リアル」と「バーチャル」の両面から、今後も教育普及事業を進めていきます。

〔上野動物園教育普及係 奥山絵里〕

◎140周年企画ズーネット連載「上野動物園この10年」
日本産希少野生動物の保全について
新たな一歩をふみだす「子ども動物園すてっぷ」

(2022年09月01日)



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