2022年7月11日にリニューアルオープン5年目を迎えた「子ども動物園すてっぷ」。
今年は新たななかまとしてウシ(ホルスタイン種)とシマスカンクが加わりました。上野動物園におけるホルスタイン種の展示は15年ぶり、シマスカンクはなんと39年ぶりとなる展示です。
※ウシは2022年10月12日に故郷の牧場に帰りました。現在は展示していません。詳しくは
こちらの記事をご覧ください。
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ウシ(ホルスタイン種) | シマスカンク |
1948年の戦後の混乱期のなか、日本で初めて当園で産声をあげた子ども動物園は、2017年に「子ども動物園すてっぷ」として生まれ変わりました。
子ども動物園すてっぷには、小さな子ども専用の「はじめてルーム」や、子どもたちがふれることのできる小動物を用いて動物の生態や命の大切さについて学ぶ「わくわくベース」、目の前の不忍池に住む生きものの紹介から身近な自然について学べる「しのばずラボ」、日本在来家畜を展示する「ふたば牧場」、家畜や家禽と比較できる野生動物を集めた「鳥たちのおうちⅠ」や「カピバラ・ヤマアラシエリア」などがあり、子どもも大人もいっしょに楽しめる工夫がたくさんつめこまれました。そして、子どもたちに動物のぬくもりを伝えるという設立当初の理念はそのままに、動物について体験し、感じ、考えるための場として新しい一歩をふみだしました。
2018年、子ども動物園は開園70周年を迎えました。これまでの歩みを紹介する写真展や着ぐるみによるお出迎え、フォトスポットの設置、塗り絵やプラバンキーホルダーづくり、プロによる絵本の読み聞かせ、飼育係によるガイドツアーやおはなし会など、約半年間にわたって開催した子ども動物園らしい記念イベントには、たくさんの方にご参加いただきました。
2020年末からは新型コロナウイルス感染症の拡大により、いままでのようなふれあいや環境学習プログラムの実施が困難となりましたが、動物にも人にも安全・安心な学びの場を提供するために、内容や方法について様々な検討を行い、プログラムの再構築を進めています。
次の一歩をふみだそうとしている子ども動物園すてっぷを、これからも応援していただければ幸いです。
〔上野動物園子供動物園係 鳥飼香子〕
子ども動物園年表
1948年(昭和23年) 「こどもどーぶつえん」開園(敷地面積約1650㎡)
1949年(昭和24年) (第二次)「子ども動物園」開園(敷地面積約3000㎡)
1972年(昭和47年) (第三次)「子ども動物園」西園に開園
1990年(平成2年) (第四次)「子ども動物園」開園
2017年(平成29年) 「子ども動物園すてっぷ」開園
2018年(平成30年) 子ども動物園開園70周年記念イベント開催(3月~8月)
2020年(令和2年) 新型コロナウイルス感染拡大防止のため閉園。再開園後も
体験プログラムとはじめてルームは休止
2021年(令和3年) 見島牛、カピバラが死亡
2022年(令和4年) 「ウシ(ホルスタイン種)」と「シマスカンク」の展示開始
◎140周年企画ズーネット連載「上野動物園この10年」
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日本産希少野生動物の保全について
(2022年08月15日)
(2022年12月13日:ウシの搬出について追記)