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上野動物園のライチョウ保護への取組み──第2回「日本のライチョウとスバールバルライチョウ」
 └─ 2019/01/27

 
 上野動物園では、都立動物園・水族園の冬のキャンペーン「Visit ほっと Zoo 2019」の一環として、「みてみよう 日本のいきもの ここがすごい!!」をテーマにしたイベント「うえの de にっぽん!」を開催しています。

 日本でくらす生き物たちに着目したこのイベントに合わせ、上野動物園におけるライチョウ保護への取組みを、何回かに分けてご紹介しています。

第2回 日本のライチョウとスバールバルライチョウ

 「種」としてのライチョウには、地域ごとに20以上の「亜種」があります。

 いちばん南に生息する亜種の日本産ライチョウは体つきも最も小型ですが、ノルウェー北部のスバールバル諸島にすむ亜種のスバールバルライチョウは最も大型で、日本のライチョウよりひとまわり以上大きな体をしています。ちょうど「ニホンジカ」という「種」には大型の「エゾシカ」という亜種や小型の「ヤクシカ」という亜種が含まれるのと同じです。

 現在上野動物園でご覧いただいているのは、日本産ライチョウではなくスバールバルライチョウです。当園ではノルウェーのトロムソ大学の協力を得て、2008年からスバールバルライチョウの飼育に取り組んできました。

 スバールバルライチョウは現地で狩猟対象となるほど数が多く、トロムソ大学で飼育繁殖技術も確立されています。このスバールバルライチョウを国内の動物園で飼育することで、日本産ライチョウの飼育や繁殖につなげていこうという計画です。

 2008年には、飼育職員がトロムソ大学でスバールバルライチョウ飼育のための研修を受けました。ポイントは感染症対策とえさ、ひなを育てる方法です。

 トロムソ大学から譲り受けたスバールバルライチョウの卵は上野動物園で孵化・成長して繁殖に成功、国内の他の動物園にも移動して、2014年には6園で86羽を飼育するようになりました。

スバールバルライチョウ(メス)
2008年孵化のスバールバルライチョウひな

※第3回は2月上旬を予定しています。

◎「上野動物園のライチョウ保護への取組み」
第1回「ライチョウとはどんな鳥か」
・第2回(本記事)
第3回「なぜライチョウは減っているのか」
第4回「日本のライチョウを守るために」
第5回「上野動物園でのこころみ」
第6回「ライチョウ公開にあたって」

◎関連記事
ニホンライチョウを公開します(2019年2月1日)

(2019年01月27日)
(2019年02月01日:関連記事を追加)
(2019年03月11日:連載最終回[第6回]までリンクを追加)


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