※追記:ミツクリザメは、2014年11月15日から遊泳のようすが安定せず、11月16日もときおり泳ぎを止めて水槽の底に沈むような行動が見られるようになったため、16日16時ごろ非公開水槽に移し、経過観察をしながら治療にあたっています。現在展示しておりませんのでご了承ください。
-----
駿河湾清水沖の水深約100メートルで捕獲されたミツクリザメが、昨日(2014年11月1日)午後4時、葛西臨海水族園に搬入されました。底刺し網によって捕獲された個体です。現在、「世界の海」エリアの「深海の生物3」水槽で公開中!
本日11月2日(日)13時時点では、水槽内をゆっくりと安定した状態で泳いでいます(写真上・中)
最新の動画はこちらです(2014年11月2日、3日撮影。1分48秒、YouTube)。
今回公開した個体は全長約1.2メートル。ミツクリザメは成長すると全長約3.5メートルになります。世界各地の深海にくらしています(水深約1,200メートルまでの水域に生息)。生態などもまだ詳細はわかっていません。日本以外では捕獲例が少ないのですが、東京湾、相模湾、駿河湾では多くのミツクリザメが捕獲されています。
ミツクリザメの特徴は何といっても、そのあごの構造にあります。ふだんはふつうのサメと似た顔つきですが、両あごを大きく突き出すことができ、その際は異様な顔つきに変わります(写真下の模型をごらんください)。英語では「ゴブリンシャーク」(悪鬼のサメ)と呼ばれており、最近の深海魚ブームで取り上げられ、テレビなどで紹介されることも多い魚です。
葛西臨海水族園では何度かミツクリザメを飼育してきましたが、長期の飼育には成功しておらず、2007年4月の2週間が最長記録です。今回の個体は状態が大変よいようですので、長期飼育に向けて観察を続け、餌の捕らえ方など、知られざる生態の解明に努めます。
◎東京ズーネット記事から
「生きた化石、ミツクリザメ展示」(2007年1月26日)
動画「
ミツクリザメを捕獲!」(2007年1月26日撮影)
「ミツクリザメ再捕獲(14日間の生存後、死亡)」(2007年4月5日)
「生きた化石、ミツクリザメ公開中」(2009年1月18日)
動画「
ミツクリザメ展示!」(2009年1月18日撮影)
「東京湾でミツクリザメを捕獲、展示中!」(2010年3月29日)
「続・新たな視点で見てみると(19)高感度カメラでミツクリザメを撮影」(2010年4月9日)
「ミツクリザメの展示に再挑戦!」(2011年2月3日)
「ミツクリザメの飛び出すあご」(2011年9月2日)
写真上と中:今回公開したミツクリザメ(メス)。全長約1.2メートル
写真下:あごが突き出た状態のミツクリザメ(模型。館内展示物)
(2014年11月02日)
(2014年11月16日)