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生きた化石、ミツクリザメ展示(展示中止しました)
 ──2007/01/26

(2007年1月27日追記:下記ミツクリザメは、体調の変化により展示を中止し、同日残念ながら死亡しました。)

 2007年1月25日、千葉県内房の深海刺網(さしあみ)漁の船に乗せてもらって調査中、全長約 1.3メートルのミツクリザメを採集しました! 東京湾外湾の水深 160メートルにしかけられた刺し網で捕獲されたこの個体はオス。さっそく水槽で展示しています。生きたミツクリザメが見られる機会はめったにありません!

 ミツクリザメは、成長すると全長約 3.5メートルにもなるサメ。世界各地の水深 1,200メートルまでのに深海でくらしています。採集例がとても少なく、生態や生活史についても、わからないことだらけです。

 古代に生息していたサメに似ていることから、「生きた化石」とも呼ばれ、学術的にも大変貴重な種類です。採集した個体には、幸運にも傷がほとんどなく、とてもよい状態で採集・輸送ができたため、葛西臨海水族園の深海エリア「深海Fの生物3」で、キンメダイや、先日ご紹介したトガリツノザメといっしょに展示を始めました。

トガリツノザメの記事(2007年1月)
キンメダイの記事(2003年1月)

 水槽へ収容したミツクリザメはしばらく落ち着かず、水面近くを横に倒れながら泳いだりしていましたが、しだいに水槽の壁やアクリルをしっかり認識し、ゆっくりと避けながら泳ぐようになりました。

 1月25日に撮影した動画(約1分)は、下記リンクからごらんください。

・QuickTime ミツクリザメ
・Windows Media Player ミツクリザメ

(QuickTime Playerの無償ダウンロードはこちらから
(Windows Media Playerの無償ダウンロードはこちらから

 採集例は少ないのですが、これまでの胃の解剖結果や、頭の形から考えて、海底近くでくらすイカ・タコ類やエビ・カニ類を食べているものと思われます。餌を食べるとき、上下のあごが極端に前へ飛び出る構造になっています。

 葛西臨海水族園では、過去に1度、ミツクリザメを採集して輸送したことがありましたが、数日で死んでしまいました。今回は、少しでも長生きさせ、餌を食べる貴重な瞬間を記録しようと考えています。ぜひこの機会に、深海にくらす生きた化石、ミツクリザメを見にきてください!(飼育が困難なサメですので、ご来園の際に見られない場合もあります。ご了承ください。)

〔葛西臨海水族園調査係 牧茂〕

On January 25, 2007, when our Tokyo Sea Life Park (Kasai Rinkai Suizokuen)''s staff took a boat with local fishermen, we caught a male goblin shark (Mitsukurina owstoni), 1.3m long, in the shallows (160 meters deep) of outer Tokyo Bay. We brought back the shark, which was fortunately not much damaged, and displayed it in a ''Deep Sea'' tank together with alfonsinos (Beryx splendens), and spiny dog fish (Squalus japonicus), but it died on January 27.

At first, the shark seemed nervous, swimming in the tank with one side upwards. But after a while, it began to swim normally and slowly, avoiding collision with tank walls and the acrylic window.

(Read more...)

Goblin shark videos on January 25, 2007 at Tokyo Sea Life Park
- QuickTime
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