「
孵化」「
摂餌(1令幼虫)」「
脱皮」に引き続き、井の頭自然文化園の水生物館で育てたゲンゴロウの映像をお伝えします。
共食いを防ぐために小さな容器で単独飼育しているゲンゴロウの幼虫ですが、脱皮を繰り返して3令幼虫ともなると、体も大きく、大あごはさらに立派になって、うかつに手を出すことができなくなります。
コオロギの頭に噛みついた3令幼虫。立派な大あごは硬いコオロギの頭も貫通してしまう
食べるえさの量も多くなり、与えているコオロギへの食いつき方もそれまでの慎重さが薄れ、全身を使って勢いよく襲いかかります。
【動画】飼育容器にコオロギを入れると、すごい勢いで噛みつこうとする。スロー映像は時間を6倍にのばしたもの。コオロギの立てる振動(波)が水を伝わるようすがよくわかる。映像の最後は消化液を注入されたコオロギのおなかがふくらむようす
幼虫を飼育している容器は小さいため、飼育水を頻繁に交換しなければなりません。1~2令幼虫は水換えのとき、体に触ると逃げていくことが多いのですが、3令になると何かが体に触れるとそれに噛みつこうとすることがしばしばです。自分も一度噛まれてしまいましたが、大あごから注入される消化液の影響もあるのか、けっこう痛い思いをしました。その後は換水がドキドキの作業になりました。
次回はサナギになるため土にもぐるようすをお伝えします。
・前回の記事
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続々・新たな視点で見てみると[5]──ひと皮むけて頭が育つ:ゲンゴロウ2令幼虫の脱皮」(2017年9月29日)
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 三森亮介〕
(2017年10月20日)