9月9日と10月15日、上野動物園の「子ども動物園すてっぷ」で飼育している2頭のブタの定期健康診断をおこないました。毎年秋ごろに定期健康診断をおこなっており、ここではその健康診断のようすを、具体的にご紹介します。
動物をしっかり検査するには、人とは違って麻酔をかける必要があります。そこで、まず子ども動物園すてっぷの中で麻酔をかけたあと、東園にある動物医療センターへ運び、CT検査や超音波検査、口腔内の確認、採血などをおこないました。さらに爪切りや耳掃除もおこない、体もすっきり!

ネットに包まれCT検査中のアヨーのカマデー。麻酔で寝ています
アグーの「ナビィ」(メス)は、今回の健診でも大きな病気は見られませんでした。ただし、以前から指摘されていた肥満を解消するため、ダイエット大作戦を続行しています。

麻酔からの覚醒待ちのナビィ
窓からそっと……野次馬トカラ馬の「琥太郎」(オス)

すっかり目が覚めてえさを待つナビィ
アヨーの「カマデー」(メス)はもともと子宮腺がんを患っていますが、今回の健診ではその明らかな進行は確認されませんでした。今後もがんの進行を確認するために、無麻酔下でも定期的な採血をおこなっていきます。健康診断以降に、前肢に皮膚の膿瘍が見られました。現在は患部の消毒や投薬治療をおこなっています。

覚醒後のカマデー
今回はブタの定期健康診断についてお知らせしましたが、子ども動物園すてっぷではまだまだたくさんの動物たちの健康管理をおこなっています。また機会を見つけてご紹介できればと思います。
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〔上野動物園子供動物園係〕
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