2023年8月2日更新:
「カマデー」の近況を追記しました。
くわしくはこちらをご覧ください。
上野動物園の「子ども動物園すてっぷ」で飼育しているブタ(アヨー)の「カマデー」(メス)が、検査の結果、子宮腺がんであることがわかりました。これまでの経緯と、今後の治療方針についてお知らせします(2021年8月以降、お知らせしてきた
カマデーの近況はこちらです)。
アヨーの「カマデー」(撮影日:2023年5月12日)
経緯
2019年、カマデーの子宮内膜にがんが見つかりました。子宮と卵巣の摘出手術や投薬治療によって状態は安定しましたが、それ以降、血液検査やコンピューター断層撮影(CT)装置を用いて定期的な健康診断をおこなってきました。
2022年の秋から冬にかけて、陰部からときどき出血が見られるようになりました。2023年1月には体調を崩して動物病院に入院し、冬の寒い時期は大事をとって暖かい室内で管理をしていました。
しかし、その後も陰部からの出血が続いたため、カマデーの体力回復を待ってふたたび検査をしたところ、子宮摘出後の一部残ったところに子宮腺がんを発症していることがわかりました。
今後の治療について
カマデーは子宮と卵巣をすでに切除しています。今回、腫瘍が認められた部分は骨盤の中に位置していることから、外科手術による摘出は難しいと判断しました。
また、抗がん剤の投与はカマデーの体に大きな負担がかかることから、総合的に判断して今後は鎮痛などの緩和ケアを中心に、カマデーの生活の質(QOL)の維持を第一とした治療をおこなっていくことにしました。
現在、カマデーには食欲もあり、屋外へ出たがるようすも見せています。しかし、引き続き体調や天候を考慮しながら飼育管理をおこないますので、公開を休止することもあるかもしれません。カマデーが穏やかな生活を続けられるよう、スタッフ一同、力を尽くしておりますので、どうかご理解いただければ幸いです。
〔上野動物園子供動物園係〕
アヨー「カマデー」の近況(2023年8月2日追記)
昨年の夏にくらべて、今年は気温が上がると呼吸が荒くなるのが目立つようになりました。
カマデー自身は屋外へ出たがるようすを見せることもありますが、その日の体調や天候を見ながら屋外へ出すかどうかを判断していきます。
この夏は暑さが厳しい日が多いため、屋外へ出ない日も増えるかもしれませんが、どうかご了承ください。
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よく採食するカマデー | 涼みながら休息 |
(撮影日:2023年7月29日)
〔上野動物園子供動物園係〕
(2023年05月12日)
(2023年08月02日:アヨー「カマデー」の近況を追記)