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見やすくなった小さいトビハゼの展示水槽
 └─2010/01/13

 トビハゼは環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されるほど、生息数が減っています。かつては東京湾でも広く生息していたようですが、今では干潟の消失にともない、トビハゼの生息地は数えるほどしか残っていません。

 葛西臨海水族園では、干潮と満潮の時間と気温を調整することにより、2008年と2009年、トビハゼを水槽内で繁殖させることができました。繁殖させた個体は、「東京の海」にある泥干潟水槽の2階通路部分で展示しています。

 展示水槽は、通路の近くにある「ダクト」の上にせりだすように設置。照明も新設し、水槽内のレイアウトも工夫するなど、お客さんがより近くで、より観察しやすいように日々改良を加えています(写真上)。

 また、昨年(2009年)12月16日から、今年繁殖させたトビハゼ40尾の展示を開始しました(写真下)。現在、トビハゼの大きさは体長4センチ前後ですが、ほぼ親と同じような体型になり、陸上に置いた餌を食べるようになりました。トビハゼの餌は、サクラエビやゴカイなどのミンチです。直接置くと水槽内を汚してしまうので、餌台の上に乗せて与えています。

 野外のトビハゼは11月から3月くらいまで活動せず、冬眠しています。今の時期、野外のトビハゼは泥の中で冬眠しているのです。

 でも、水槽内で冬眠されると展示になりません。そこで、水槽の水を温めて、冬眠させないようにしています。ご来園の際は、親を展示している1階の水槽はもちろん、2階にある小さいトビハゼの展示水槽もぜひごらんください。

◎これまでのニュース

トビハゼ、まばたきする魚?(2003年07月25日)

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【動画あり】年に一度のイベント? トビハゼの求愛
             (2007年06月29日)

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人工なぎさのトビハゼ   (2008年06月27日)

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水槽でふえました! トビハゼの稚魚展示(2008年09月19日)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 橋本浩史〕

(2010年01月13日)



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