ゴールデンターキン「ミナト」の誕生
2026年7月17日
2026年6月11日、多摩動物公園でゴールデンターキンが1頭生まれました。母親は「ナズナ」、父親は「ハマ」という個体です。
昨年(2025年)の夏ごろから繁殖を目指して同居をおこなったところ、8月から10月にかけて3回マウントしているところを確認しました。交尾が成立したか定かではありませんでしたが、10月以降あきらかな発情は見られず、妊娠の可能性が考えられました。ターキンの妊娠期間は7~8か月と言われています。そのため、5月から6月初めの出産を想定し、獣舎内の準備をおこないました。
ナズナが部屋を広く使えるよう、隣接する2部屋との仕切りをなくしました。また、生まれてくる子が固いコンクリートに打ちつけられるのを防ぐとともに、立ち上がる際に足元が滑らず踏ん張りがきくよう、床に乾草を敷き詰めました。ナズナにとっては今回が初産です。万が一、子育てをしなかった際には、人工哺育で子を助けられるように、牛用の人工初乳も用意しました。
しかし、5月には、ハマがナズナにマウントをしようとしているようすが確認されました。そして、ターキンは体が長い毛に覆われ、腹のふくらみがとてもわかりにくい動物です。出産してもおかしくない時期になってもあきらかな体形の変化が見られないまま、6月を迎えました。「これは、妊娠をしていないのかな? 6月中旬ごろを目途に敷き材も撤去しようかな」と考え始めた矢先のことでした。
朝9時ごろに獣舎に行くと、すでに子が生まれていました。立ち上がってはいませんでしたが、体は乾いており、夜間から朝のうちに出産があったようです。ナズナは初産にもかかわらず、よく子をなめ、世話をしていました。
9時13分には子の起立を確認しました。しかし、後肢が開いてしまって立ち上がった状態をうまく維持することができません。立ち上がっては倒れ、を何度も繰り返していました。なかなかナズナの乳房にたどり着けないようすはとても心配でしたが、倒れた際には大きな声で鳴き、ナズナは励ますように子をなめていたので、良好な親子関係がうかがえ、そこは安心して見守ることができました。
その後も、せっかく立ち上がってもうまく乳首に吸いつけなかったり、ナズナとタイミングが合わず、うまく飲めなかったりしましたが、11時39分、乳首を吸う音がして、ようやく確実に母乳を飲んでいるところが確認できました。
ナズナ自身は、ふだんよりも警戒心は強いものの、落ち着いていました。食欲もしっかりとあり、採食も良好でしたが、少し、離れたところでえさを食べていても子が鳴くと、すぐに子の世話に戻ってくれました。
日に日に大きくなっていく子ターキン。父親のハマの名前にちなみ、「海」関連の単語を探し、そして水無月に生まれたことから「ミナト」と名付けました。すくすく成長していくミナトの姿を見守っていいただけると幸いです。
〔多摩動物公園南園飼育展示第一係 嵐田〕

