これもサンゴ? その名も「イシナマコ」
2026年7月24日
これまでの葛西臨海水族園の「サンゴ礁の海」水槽の記事はご覧いただけましたか?
2025年の搬入に加え、今年の6月も鹿児島県西之表市からサンゴを搬入して追加展示し、さらににぎやかになりました。今回はそのなかから一風変わった姿のサンゴをご紹介いたします。
サンゴは、ミズクラゲなどと同じ刺胞動物門というグループに属しており、小さなポリプが集まって一つの大きな塊をつくり出しています。体内に共生させている、褐虫藻が光合成によってつくり出したエネルギーを栄養として受け取っているのに加え、自らポリプから触手を伸ばして小さなプランクトンや細菌を捕食する、植物のような機能を併せもつ動物です。
まずはこちらの写真をご覧ください。
サンゴというと、枝のように伸びたものや、丸いテーブル状のかたちをしたものを思い浮かべる人が多いかと思います。しかし、まったく似ても似つかないサンゴもいるのです。
それがこちら。
これはなんでしょう? ナマコでしょうか……? いいえ、れっきとしたサンゴのなかまなのです!
こちらは「イシナマコ」というサンゴの一種で、砂の上で観察することができます。昼間は長い触手を伸ばし、その下の固いカルシウムでできた骨格を覆いつくしています。
そしてこのイシナマコは、なんと歩くことができるのです! サンゴのなかまのほとんどが岩に付着したまま一生をすごすのに対して、イシナマコは自分の生息環境に適した場所へ移動するのです。正確には人間のように歩くのではなく、ポリプに水を含ませたりしぼませたりして、這うように移動します。わずかですが、水槽の中でも1日に1cmほど移動しているようです。
サンゴの常識を覆す「イシナマコ」。ぜひその不思議な姿を葛西臨海水族園で観察してみてください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 廣田神奈〕

