はりせんぼんの~ます?
2026年7月10日
「指切りげんまん嘘ついたら針1000本飲~ます! 指切った!!」
小さいころ、約束ごとをするときによく使った言葉だと思います。この言葉を聞いて、ふとこう思いました。
「ハリセンボンって針1000本あるの?」
……ということで実際に数えてみることにしました。使ったのは葛西臨海水族園2階の「情報資料室」にあるハリセンボンの標本です。
ハリセンボンは危険を感じるとからだを膨らませてトゲを逆立てます。この標本はすべてのトゲが立っているので数えやすそうです。
紐で区分けして印をつけながら数えました。結果は394本。ちなみに、インターネットで調べたところほかにも数えた人がいて、ハリセンボンごとにトゲの数は違うようですが、いずれも300~400本ほどでした。
「針1000本」という名前ですが、1000本には遠くおよびませんでした。「針」を1000本持つ生きものはいるのでしょうか。気になったのでほかの生きものでも数えてみることにしました。
ハリセンボンと同じようにトゲがあり、危険が迫ると体を膨らませてトゲを立てて身を守るネズミフグ。水族園では世界の海エリアの「南シナ海」水槽で展示しています。
泳いでいるネズミフグで数えるのは大変なので、皮の標本で数えました。結果は449本。またもや1000本には届きませんでした。
「ほかに針をもつ生きものはいるかな?」と水族園内を探したところ、こんな生きものを見つけました。
ムラサキウニです。「渚の生物」水槽や「しおだまり」コーナーで展示しています。ムラサキウニはこのトゲでほかの生きものに食べられないよう身を守っています。
生きているウニのトゲは数えにくいので情報資料室にあるウニの殻標本を使います。こちらはスタッフにお声がけいただければいつでも見ることができます。
ウニは死んでしまうとトゲが取れて小さなこぶがたくさんある殻が残ります。こぶはトゲがついていた部分なので、これらを数えればトゲが何本あるかわかるのです。
結果は1336本! 1000本を超える「針」をもつ生きものを見つけました!
写真を見て数えたため、外側の小さなものは見落としている可能性が高く、実際はもっと多いと思われます。
今回数えた3種類のなかでは、「針1000本」という名前のハリセンボンのトゲが一番少ない結果となりました。
名前は生きものの特徴を表していることが多いですが、実際に観察してみると名前とは違うギャップをもった生きものもいます。百聞は一見に如かず。ぜひみなさんも水族園で生きものを観察してみてください!
〔葛西臨海水族園教育普及係 和泉綾〕

