優雅なひれ、おしゃれな模様

2026年6月26日

葛西臨海水族園の世界の海エリア「サンゴ礁の海」水槽や「グレートバリアリーフ」水槽では、サンゴ礁域に生息する、さまざまな生物を展示しています。

そのなかに、黒と黄色みがかった白のしま模様が目を引く魚がいます。これは「ヒレナガハギ」という全長15㎝ほどのニザダイ科の魚です。太平洋、インド洋の暖かい海に生息し、主に岩やサンゴなどの表面に生える小さな藻類を食べます。「ハギ」と名前につきますが、カワハギのなかまではなくニザダイのなかまなので、尾びれの付け根あたりに小さなとげが生えています。

特徴はいくつかありますが、大きな特徴はやはり背びれとしりびれです。

この2つのひれは、名前の由来にもなっており、縦に大きく長く広がります。ふだんは閉じていることが多いですが、ほかの魚に驚いたときや、ホンソメワケベラにクリーニングをしてもらっているときなど、ひれを開いた際には体の大きさが倍くらいにも見えるため、なかなかの迫力があります。

英名はSailfin Tangといい、やはりその大きなひれがSail(船の帆)のように見えることが由来になっています。

ひれを開いているヒレナガハギ
ひれを閉じているヒレナガハギ

また、体のしま模様もただのしま模様ではなく、よく観察してみると、黒い帯の中にも細いしま模様や水玉模様が入っていることがわかります。特徴的な背びれ、しりびれにもまた違ったおもむきのしま模様が走っています。

一見するとモノトーンの地味な魚に見えますが、よく目をこらしてみると細かくおしゃれな模様がたくさん入っていることがわかります。

ヒレナガハギの模様。大きな白黒のしま以外にも、細かな模様が入っている

ちなみに、ヒレナガハギのしま模様は、縦じまかと思いきや横じまなのです。魚のしま模様を見るときは、頭を上にした状態でどの方向にしまが走っているかによってしまの向きが決まるので、ヒレナガハギは横じまになるのです。

一見、落ち着いた雰囲気をしていながらも、実は個性的な部分の多いヒレナガハギ。じっくりと観察して、ぜひひれを開いた姿をご覧になってください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 平井蒼大〕