個性豊かなメガネモチノウオ

2026年4月24日

葛西臨海水族園の「サンゴ礁の海」水槽では、サンゴのほかにたくさんの魚を飼育しています。カラフルで小さな魚たちが泳ぎ回るにぎやかな水槽の中に、遠くからでも見えるほど大きな魚が2匹います。こちらの魚の名前は、「メガネモチノウオ」です。

「サンゴ礁の海」のメガネモチノウオ。遠くからでもよく見える大きな魚
「サンゴ礁の海」のメガネモチノウオ。遠くからでもよく見える大きな魚

メガネモチノウオは都立動物園・水族園で希少動物の繁殖をはかるための「第2次ズーストック計画」の対象種とされており、葛西臨海水族園では大きな水槽の「サンゴ礁の海」で複数個体の同居飼育をすることで将来の繁殖につなげようと試みています。

このメガネモチノウオ、またの名を「ナポレオンフィッシュ」といいます。こちらの名前の方が聞いたことがある人が多いかもしれません。

下の写真の赤丸で示した、おでこのような部分が成長するとともにふくらみ、フランス第一帝政の皇帝ナポレオンがかぶっていた大きな軍帽のシルエットに見えるため、ナポレオンフィッシュと呼ばれるようになりました。

「南シナ海」のメガネオチノウオ。赤い丸の部分が成長するにつれて大きくなります
「南シナ海」のメガネオチノウオ。赤い丸の部分が成長するにつれて大きくなります

「サンゴ礁の海」のメガネモチノウオはまだ若い個体なので、おでこのような部分はあまり目立たないのですが、「南シナ海」水槽にいるメガネモチノウオは、立派な帽子のシルエットが確認できます。

さらに、「サンゴ礁の海」にいる2匹をよく観察してみると、体の大きさや模様以外にいくつかの違いがあることがわかります。

たとえば、水槽の中でよくいる場所が異なります。人間が近くにいても平気な個体は観覧通路のそばにいることが多いのに対し、もう一方は岩陰に隠れていることが多いのです。ほかにも、えさを食べる場所やタイミングにも違いがあります。もちろん、水槽内の環境に左右されている部分もあるかもしれませんが、それぞれ個体による好みがあるようにも見えます。

このように、同じ種類の魚でも成長段階や性別により姿かたちが違ったり、外見には現れない個性があったりします。

ぜひみなさんも、個性豊かなメガネモチノウオの性格や行動などの違いを探してみてください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 廣田神奈〕

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