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小さなマックスが走ってきて、大きなピーチの背中にピョンと飛び乗る──多摩動物公園のチンパンジー放飼場でよく見られる光景です。来園者から「あ!赤ちゃんがお母さんにおんぶされてるよ!」という声が聞こえてきますが、マックスにはちゃんとマリナというお母さんがいます。マリナは、ピーチのことを非常に恐れていて、自分から近づこうとはしないのですが、息子のマックスはなぜか放飼場でピーチといる時間がとても長いのです。
もうすぐ3歳になるマックスは、放飼場に出るとお母さんのそばを離れ、ほかのチンパンジーたちと遊び始めます。子どもどうしで追いかけっこやレスリングをして遊ぶことも多いのですが、同じくらいの時間をピーチと過ごします。
マックスはピーチの体にじゃれついておんぶしてもらったり、くすぐってもらったり、あるいはピーチが自動販売機で購入したジュースを「ちょうだい、ちょうだい」と腕を引っ張って半分飲ませてもらったり、結構わがままな行動を取るのですが、ピーチは怒らずにマックスの面倒を見ています。
体が大きく群れの中での順位も高いピーチは、みんなから一目置かれる存在ですが、そのピーチにわがまま放題をできるのはマックスだけだろうなあといつも思ってしまいます。
ピーチにくすぐられて「ハッハッハッ」と“笑い声”をあげるマックスと、それをやさしい眼差しで見つめるピーチを見ていると、私まで「この2頭は親子だっけ?」と錯覚してしまいますが、寝部屋に帰るときや群れでトラブルがあったときなど、マックスはお母さんのマリナのところに駆け寄ります。やはり本当のお母さんは頼りになるんだなと感じる瞬間です。
夏の暑さにも負けずに、マックスは今日も元気に走り回っています。さて今日の遊び相手は誰でしょうか。
写真:ピーチと楽しそうに遊ぶマックス
〔多摩動物公園北園飼育展示係 東川上純〕
(2010年08月06日)
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