◎12日間の船旅
今週は、アメケンこと雨宮健太郎の体験リポート番外編をお届けします。かたい話は抜きにして、沖縄の青い海に浮かぶ船上での日々の模様についてお話ししましょう。船の中での生活──みなさんはどんなものを想像しますか?
まず、船室には二段ベッド、ロッカー、机、そしてテレビと冷蔵庫まであって、とても快適な居住空間でした。そして、船内にはお風呂もあります。しかし、長い航海では真水の補給ができないため、湯船には沸かした海水を入れ、貴重な真水を節約します。
湯船に入っていると、船が波で揺れるたびに湯船には大波がたつので、暖かい海の中で揺られているような心地よさでした。しかし、お風呂では心地よい船の揺れも、顕微鏡で小さな生き物の観察やパソコンに夢中になっているときには……う~~ん、なんとな~く頭痛が……。心地よくないですね。
このように船はつねに揺れているので、その対策も大事です。高価な顕微鏡や実験器材などはロープなどでガッチリと固定します(写真上)。研究者のみなさんは、いかにも“研究”といった感じの機材を持ち込んでいましたが、われわれ葛西臨海水族園の二人組が船に乗るといったらこれだ!と持ち込んだ機材は……漁師合羽と長靴という、いつもの生物採集スタイルでした(笑)。
そして船上生活での一番の楽しみ!?、それは食事です。船には司厨長をはじめとする料理人さんたちが乗っていて、一日三食、おいしい料理を作ってくれます。メニューは、ステーキ、白身魚のホイル焼き、マーボードーフ、煮魚、カレーなど、和洋中とバラエティー豊かで、さらにデザートにフレッシュな果物までありました(写真下)。
ただ、夕食の時間が午後5時半なのはちょっとつらかった……。夜中にお腹がすいてしまい、水圧実験用に持って行ったカップ麺(その詳細はリポートの「その弐」をごらんください)の中身をくだいてポリポリと食べ、空腹をしのいでいました。案の定、帰って来たらズボンが──きつい。
さて、このアメケンの体験リポートは、今回の番外編をもちまして終了とさせていただきます。ご愛読くださいましたみなさんに感謝いたします。またいつの日か、アメケンシリーズでお会いしましょう。
写真上:船室は持ち込み機材で即席研究室に。顕微鏡などはロープでしっかり固定(撮影:雨宮健太郎[葛西臨海水族園]、撮影協力:独立行政法人海洋研究開発機構[JAMSTEC])
写真下:ハードな航海生活を支えるおいしいスタミナ源?!(撮影:多田諭[葛西臨海水族園]、撮影協力:独立行政法人海洋研究開発機構[JAMSTEC])
・
リポート、その1
・
リポート、その2
・
リポート、その3
・
リポート、その4
〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕
(2008年08月01日)