上野動物園の子ども動物園では、2008年７月７日午前、ラマのラーマ君（オス、９歳）の毛刈りをしました。例年６月中に実施していましたが、うっかり７月になってしまい、暑さもきびしくなってきたので、梅雨空のあいにくの天気でしたが、毛刈りをおこないました。

　同僚から、「雨ガッパを着たほうがいいよ。」と言われていたので、古い作業着を着ることにしました。ラクダのなかまは、きげんが悪いとツバや吐き戻しを吹きかけて威嚇しますが、ラマも例外ではないからです。

　先輩担当者が引き綱を持ち、ラーマ君をやさしくなだめているうちに、最初のバリカンを背中から入れました。毛足が長く、毛が密に生えた絨毯のような毛皮を前にして、次の刃をどこに入れようかと迷っていると、「ブファッ！」。さっそく強烈な一撃を真正面から食らいました。

　吐き戻しがメガネのレンズにびっしりついて視界の悪い中、甘酸っぱい香りに包まれながらも、虎刈りのラマができあがってきました。

　仕上げには、毛刈りのプロ、ヤギ・ヒツジ班の手も借りて、１時間半でようやく刈り終えることができ、ビロードのようななめらかなラーマ君に仕上がりました。

　午後になって、掃除のために放飼場に入ると、私がそれほど近づいてもいないのに、ラーマ君は「クーッ」と鳴いてアゴを持ちあげ、つばを吐こうと威嚇してきます。担当となってから３か月。ラーマ君、また君との距離が遠くなってしまったね。

　午前10時30分から11時30分には、ふれあいイベント「ともだち牧場」でラーマ君の頭をなでることができます。すっきり男前になったラーマ君に会いに遊びにきてください！

〔上野動物園子ども動物園飼育係　田畑邦衛〕

・動画「ヒツジの毛刈り」（2006年05月撮影）

・ニュース「ヒツジの毛刈りを見にきませんか」
　　　　　（2006年05月12日）

・ニュース「今年もやってきました……ラマの毛刈りの
　　　　　　シーズンが！」（2007年６月15日）

・ニュース「ヒツジの毛刈りが見られます」
　　　　　（2008年05月02日）

・ニュース「ヒツジに催眠術をかけるには──毛刈りの工夫」
　　　　　（2008年05月09日）

（2008年07月11日）