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ライチョウのひな、順調に成長中、雌雄も判明
 └─2015/07/16

 こちらの記事でお知らせしたとおり、上野動物園では、絶滅危惧種であり、国の特別天然記念物である、2015年6月5日に乗鞍岳(長野県・岐阜県境)で採取した、日本産ライチョウ全5卵の孵化に成功しました。この日本産ライチョウの生育状況及び雌雄判定の結果について、7月16日現在の状況をお知らせします。


ライチョウのひなたち

生育状況

 7月16日現在、全5羽とも採食行動や体重増加などに問題はなく、順調に生育しています。また、多摩動物公園野生生物保全センターにて、孵化した卵の殻の内側に付着した組織からDNAを抽出し、雌雄を判定した結果、上野動物園で孵化した5羽の内、オス3羽、メス2羽であることが判明しました。

孵化日時性別体重(g)
6月27日 午後6時メス オス108.8
6月28日 午前0時メス89.3
6月28日 午前2時オス86.2
6月28日 午前2時オス115.2
6月28日 午前4時オス98.9
(2015年7月16日現在)

ライチョウの飼育状況(2015年7月16日現在)

 飼育場所 東園ライチョウ孵化施設

 室内温度 20℃~40℃

 エ  サ ニワトリのヒナ用のえさ・ウサギモルモットペレットを粉砕したもの
      スイバ・ギシギシ・小松菜を千切りしたもの

 状  況 ヒナを育てるための育雛箱の中で5羽一緒に飼育している。
      ヒナの状態を見ながら、保温ランプ等で育雛箱の内部を適温に保っている。

動画


◎ライチョウのひなのようす(2015年7月13日撮影、39秒)


これまでの経過

6月5日乗鞍岳より5卵を採取し上野動物園へ輸送する。
6月6日上野動物園到着後、孵卵器に入れる。
6月27日午前7時3個の卵の觜打ち(※)を確認する
6月27日午後6時
~6月28日午前4時
順次、5羽のヒナが孵化する
6月29日全てのヒナがエサを食べていることを確認

 (※嘴打ち:ヒナが卵から出るために卵の内側からくちばしで卵の殻を割り始めること)

今後の取り組み

 ライチョウは冷涼な高山帯に棲んでいる鳥であるため、特に温度・湿度、衛生管理に注意し、スバールバルライチョウの孵化育雛の経験を活かし、注意深く飼育、観察していきたいと考えています。
 また、現時点で、上野動物園で今回孵化したライチョウを一般公開する予定はありません。
 今後のライチョウの生育などの状況については、順次、当ホームページ(東京ズーネット)でご案内します。

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(2015年07月16日)
(2015年09月04日訂正)


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