上野動物園子ども動物園で、先日恒例のヒツジとラマの毛刈りをおこないました。今回は、全身モコモコの毛で覆われたコリデール種のヒツジ「ガーベラ」(メス、10歳)と「デイジー」(メス、10歳)、そしてラマの「ラーマ」(オス、12歳)です。
暑くなると毛が自然に抜けて夏毛になる種類の動物と違い、コリデールやラマは人間が刈ってやらないとどんどん毛が伸び続けます。そのため毎年、本格的に暑くなる前に毛刈りをおこなっています。
昨年(2010年)はバリカンの調子が悪く、来園者の方にバリカンのメンテナンス姿ばかりお見せしてしまい、最終的にはミニサイズの犬用バリカンとはさみで地道に刈るという情けない結果になりました。
・昨年の毛刈りのようす
「ラマの毛刈りとアルパカの移動」
「犬用バリカンでヒツジの毛刈り」
しかし今年は、私たちもリベンジに燃えていました。事前のメンテナンスOK!シミュレーションばっちり! 気合充分! と毛刈りの日が待ち遠しいくらいでした。
まずはラマのラーマの毛刈りです。ラマはヒツジに比べて体も大きく、なんといっても最大の武器である「ツバ攻撃」があるため、一筋縄ではいかないと覚悟していました。
今年は新しい方法で毛刈りに挑みました。それはダブル刈りです。例年は一人がラーマをなだめ、一人が毛を刈っていました。しかし今年はバリカンの調子もいいことから、一人がラーマをなだめ、一人が左、もう一人が右から刈っていきました。ラーマは両側から同時に刈られていることに少し戸惑ったようすでしたが、ツバを吐くこともなく、拍子抜けしてしまうくらいおとなしくしていました。いい子すぎて感動すら覚えてしまいました。
その結果今までで一番早く40分で作業終了。ラーマも歳を重ねて丸くなったのか、毛を刈られることを覚えたのか、はたまた作戦がよかったのか、どちらにしてもラーマにとっても私たちにとっても大成功の毛刈りでした。
次にヒツジのガーベラとデイジーの毛刈りです。横に寝かせて、前足、後足をそれぞれ押さえて刈っていきます。絶好調のバリカンのおかげで毛刈りはどんどん進み、昨年に比べて費やした時間も大幅に短く、1時間ほどで終了しました。デイジーとガーベラの負担も少しは軽減できたでしょう。
1年に1度しかない作業なので、私たちの毛刈りの腕前はなかなか上達せず、刈りあともボコボコながら、少しずつは進歩しています。来年はもっとキレイに、かつスピーディーに終わらせるよう、精進したいと思います。子ども動物園スタッフ一同が一生懸命刈ったデイジー、ガーベラ、そしてラーマの涼しげな姿をぜひごらんください。
写真上:ラマの毛刈りのようす
写真中:コリデール「デイジー」の毛刈り前
写真下:毛刈り後のデイジー
〔上野動物園子ども動物園係 橋川真弓〕
(2011年06月17日)