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ラマの毛刈りとアルパカの移動
 └─上野  2010/06/18

 東京に梅雨入り宣言が出た2010年6月14日、恒例のラマの毛刈りをおこないました。

 ラマは南米アンデス山脈の標高およそ3000~5000メートルの高地にすんでいます(ちなみに富士山の標高は3776メートル)。年間の平均気温は約8℃、最高でも10℃前後にしかならないところなので、ラマは大変暑さに弱い動物です。そのため上野動物園では、例年暑くなる前に毛を刈っています。

 ところが毛刈り当日はあいにくの雨。ラーマ君(オス)の毛が濡れないうちにと、朝一番で毛を刈ることになりました。飼育係3人に押さえつけられての毛刈りにラーマ君は大激怒で、グルルという鳴き声を出しながら唾を吐き散らし、人の足を踏んだり蹴ったりの大騒ぎ。

 ヒツジ用の大きい電動バリカンである程度刈った後、イヌ用のバリカンに換え約1時間半で、何とか全身を刈り終えました。これで今年の夏も乗り切れそうです。

 一方、いっしょにともだち牧場にいるアルパカはラマよりも毛が細く柔らかいため、なかなかうまく毛を刈ることができません。去年の夏はモコ(茶のメス)1頭でしたが、毛を刈ったり、放飼を中止して日中からクーラーの入った部屋で過ごしたり、スプリンクラーをつけたりと、飼育係が試行錯誤しながらいろいろな対策をしました。

 今年は、白い体をしたメスの「灯」(あかり)が来園し、アルパカ2頭になったため、園内で対策を立てることも難しくなってきました。これから東京はますます暑くなるので、今年は2頭の生まれた那須で夏を過ごさせることにして、6月16日に上野から搬出しました。那須滞在は9月中旬までの予定です。

 そのあいだ、アルパカは子ども動物園で見られなくなります。ちょっと寂しくなりましたが、元気に帰ってくるのを待っていてください。

※2009年11月に来園したアルパカ「灯」の動画はこちら

〔上野動物園子ども動物園係 渡邊葵〕

(2010年06月18日)



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