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犬用バリカンでヒツジの毛刈り
 └─上野  2010/06/04

 子ども動物園の2頭のコリデール(デイジー、ガーベラ)は、暑い夏が来る前に毛刈りをおこなっています。毎年恒例のこの行事を、今年(2010年)は5月12日・25日におこないました。(コリデール毛刈り公開予告のニュースはこちら

 5月12日午後1時30分、まずはデイジーから刈ることにしました。ヒツジの毛刈り用バリカンの電源を入れると激しい音がします。その音にふさわしく、バリカンはとてもよく切れ、30分くらいで終了では?と思うほどでした。しかし15分もたつと、バリカンの切れ味が悪くなってきました。刃を取り替えてみたり、刃を洗ったり、油を差したりしたのですが、全く切れません。

 来園者の方々もごらんになっているので、「ちゃんと刈っているところを見せたい」と思いあらゆる手を尽くしましたが、見せているのはバリカンのメンテナンスばかり。

 仕方なく、犬用の小さなバリカンとハサミで地道に刈る破目になりました。そんな毛刈りを見た来園者はガッカリしたことでしょう。立派なバリカンを横目に、私たち職員も恥ずかしくて逃げ出したい気持ちになりました。

 しかし、中途半端に毛が刈られたデイジーを残して、投げ出すわけにもいきません。かわいそうなのは、デイジーです。横にされたまま、目だけが不安げに動いていました。しかもあまりきれいには刈れず、毛の長さにむらができてしまいました。

 結局、デイジーの毛刈りには2時間もかかり、もう1頭のガーベラの毛刈りはあきらめました。
 バリカンが切れなくなった理由は、刃の噛み合わせが悪かったためと判明し、25日にリベンジを果たすべくガーベラの毛刈りをおこないました。
 しかし、刈り始めて20分頃から切れなくなりました。メンテナンスは完璧なはずなのに理由がわかりません。

 切れない理由が不明なバリカンのメンテナンスに時間を費やすより、犬用バリカンとハサミで地道に刈ることにしました。
 その結果、なんと1時間で、しかも毛の長さが均一でとてもきれいに刈ることができたのです。

  大成功、とはいえませんが、毛が短くなった2頭はこれで暑い夏も乗り切ることができるはずです。デイジーのデコボコの毛は、かわいそうですが少し伸びればきっと目立たなくなるでしょう。

写真上:毛刈りのようす
写真中:(右)ちょっとでこぼこに刈られたデイジー
    (左)きれいに仕上がったガーベラ
写真下:上が犬用、下がヒツジ用のバリカン

〔上野動物園子ども動物園係 吉田真理子〕

(2010年06月04日)



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