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アカガシラカラスバトを「キジ・ハト舎」で再び公開します
 └─2019/03/29

 多摩動物公園のアカガシラカラスバトは「育雛舎」(いくすうしゃ)で飼育し、公開も同じ場所でおこなっていますが、飼育下での繁殖が成功し、徐々に個体数が増えてきたため、以前展示をおこなっていた「キジ・ハト舎」での再公開することになりました。


移動直後は周囲に注意を払うようすがよく見られました

 アカガシラカラスバトは小笠原諸島にのみ生息する固有亜種です。野生下ではノネコに捕食されたり、在来植物が外来植物に置き換わりアカガシラカラスバトの餌植物が少なくなったりした結果、40羽前後にまで減ってしまいました。

 そこで彼らを守るために立案された「アカガシラカラスバト保護増殖事業計画」にもとづき、上野動物園では2001年から野生個体3羽の飼育を始め、翌年に繁殖に成功しました。その後、多摩動物公園と井の頭自然文化園でも飼育に取り組み、現在3園で計48羽を飼育しています。

 残念ながらアカガシラカラスバトの知名度はまだあまり高くありません。「キジ・ハト舎」での展示を再開し、少しでも多くの方にその姿をご覧いただいて、その存在をもっと知っていただけたらと思っています。

 今後もアカガシラカラスバトの置かれている現状などについても来園者の方々にお伝えし、普及啓発活動に努めていきます。

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〔多摩動物公園野生生物保全センター 阿尾佳美〕

(2019年03月29日)


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