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アカガシラカラスバトのヒナが誕生──11/29
 上野動物園では、2001年3月に小笠原諸島の父島で捕獲したアカガシラカラスバト3羽(オス2羽、メス1羽)の飼育を続けてきました。このたび、はじめてペアリングに成功!

 産卵が見られたのは、今年の10月末から11月初めにかけてのことでした。オスとメスが交替で卵を暖めていましたが、12月18日から19日にかけて孵化。ひなの姿を確認しました。

 写真は東京ズーネット https://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをどうぞ。体長は約40センチ。ハト科の鳥類です。全体に黒色ですが、頭の上は光沢の少ない赤褐色、頭頸部や胸部は紫色や緑色の金属光沢を帯びています。

 卵殻についた血液からDNAを抽出し、性別判定した結果、メスである可能性が高いようです。

 アカガシラカラスバトは小笠原諸島だけに生息する固有亜種です。個体数や調査例も少なく、生態はあまり知られていません。

 ノネコやネズミから受ける影響、アカギ(外来の樹木)の繁茂や台風による樹木の種子の減少など、生息環境の悪化が進んでいます。

 「国内希少野生動植物種」であり、「天然記念物」にも指定され、レッドデータブックでは絶滅危惧IB類として掲載されています。

 今後も繁殖に力を入れ、保護活動を進める予定です。
(写真上:生まれたひな、下:成鳥)



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