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ハキリアリ、選手交代しました
 └─2009/05/30

 昨年(2008年)、多摩動物公園は開園50周年を迎え、毎月さまざまな動物をテーマにした「月間動物」のイベントを開催しました。9月の月間動物は「昆虫」でした(お知らせ)。

 昆虫月間のシンボルになったのがハキリアリですが、展示してきた群れの勢いが次第におとろえ、葉を切る行動も少なくなってきました。

 そこで、2009年4月22日、バックヤードで飼育していた予備群と入れ替えました。これまで展示していた群れの飼育ケースをくわしく検査したところ、ケースの片隅で死亡している女王アリを見つけました。そのまわりを多くの働きアリが取り囲んでいます。そのようすは、動かなくなった女王アリを、いまだに守っているようにも見えました。なお、この女王アリは2003年7月に昆虫園にやってきました。長いあいだ、ご苦労さまでした。

 あたらしく展示した群れは、2008年11月10日に南米のペルーからやってきました。ハキリアリは葉をかじり取って巣に持ち込み、そこで菌類を栽培して、「菌巣」をつくり、自分たちの食糧にします。あたらしい群れは日本にやってきて半年あまり。まだ菌巣も小さいのですが、これから徐々に大きくなっていくと思いますので、見守ってやってください。

写真上:新しく展示したハキリアリの群れ
    (裏側から見たところ)
写真下:菌巣に葉を運びこんでいるところ

・2007年のハキリアリ「選手交代」ニュース

・東京ズーネットBB、動画
 「ハキリアリ」(2003年撮影)

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 野村友宏〕

(2009年05月30日)



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