昨年(2006年)、多摩動物公園のハキリアリは、新女王アリや雄アリが現われて、話題を提供してくれました(下記ニュース参照)。そのハキリアリですが、夏ごろ、群れのかなめである女王アリが死亡し、群れのいきおいが徐々におとろえてきていました。
そこでバックヤードにひかえていた別の群れと交代させることにし、去る2月6日と7日、引越しをおこないました。
ハキリアリの飼育容器はけっこう大きいので、運びやすいように、アリの活動範囲を数日前から徐々に狭め、最終的には飼育ケースを3個にへらしておきました。2月6日はこの3ケースを展示エリアから搬出。翌日7日、同じ場所に控えの群れのケースを移しました。飼育係4人がかりの作業でした。
新しく展示した群れの規模はまだ小さいのですが、エサ場に置かれた葉を活発に切り取って運んでいます。まさしく「葉切り蟻」です。ハキリアリは葉をかじり取って巣に持ちこみ、そこで菌類を栽培します。この菌類がアリの食料になるのです。
今後、新しい群れの巣が大きくなるようすを観察できると思います。また、毎日午前11時30分ごろ、飼育担当者が木の葉をハキリアリにあたえます。どうぞ、新しくなったハキリアリの群れとそのようすをごらんください。
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 野村友宏〕
・東京ズーネット、ニュース「
ハキリアリに雄アリ誕生!」2006年6月
・東京ズーネットBB、動画「
ハキリアリ」2003年3月
(2007年3月9日)