葛西臨海水族園を訪れる理由は人それぞれ。雰囲気を楽しみたい、珍しい生きものを見たいなど、いろいろな楽しみ方をできるのが水族園のよさです。先日、私が
情報資料室でみなさんからの質問に答えていたときのこと、翌日釣りに行くという方とお話をしました。その方は、釣りたい魚を観察するために水族園を訪れたのです!
そんな私も何を隠そう、物心ついたときから釣りを続けている自称釣りオタクなので、園内を歩くときには、釣り人目線で生きものを観察することもしばしば……そこで観察したことを釣りに活かしています。そんな私がみなさんにおすすめの観察ポイントを紹介します。
それは、生きものの「口」です。
ほとんどの生きものは何かを食べてくらしていて、種類によって口のかたちや食べるもの、食べ方はさまざまです。生きものの口に注目してみると、どのようにしてえさとなる生きものを食べているのかが少しだけ予想できます。私が自然の海でよく釣っている魚であるシロメバルを例にあげて紹介します。
水槽で泳ぐシロメバル
「渚の生物」水槽で展示しているシロメバルは、受け口のように上を向いた大きな口をしていて、常に斜め上を向いてえさを待ち受けるような姿勢が観察できます。ということは、できるだけ軽い仕掛けでえさが上からゆっくりと落ちてくるような釣り方をすれば、釣れる確率はぐっと上がるかも?と考え、実際に試したところ、狙いどおり釣ることができました!
実際に釣りあげたシロメバル
園内の水槽横にある情報サインや、「東京の海」エリアにある特設展会場「イキモノマヂカ」内の「タベルノマヂカ」でも、口の仕組みなど、生きものの「食べる」についてくわしく紹介しています。また、水族園では実際に生きものが泳いだりえさを食べたりするようすを、水の中に入ることなく、間近で観察することができます。水族園を訪れた際には、ぜひ生きものの口にも注目してみてください。
〔葛西臨海水族園教育普及係 津山透〕
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