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イボイモリの飼育と沖縄への搬出
 └─2009/12/23

 「イボイモリ」という動物をごぞんじですか?

 イボイモリは日本にだけ生息する種(日本固有種)です。沖縄県と鹿児島県のかぎられた場所でしか見られません。沖縄県でも鹿児島県でも、県の天然記念物に指定されている稀少なイモリです。

 このたび、上野動物園はネオパークオキナワ(名護自然動植物公園)と協力し、イボイモリの飼育下繁殖に挑戦することになりました。

 2009年8月、上野動物園は米ニューヨークのブロンクス動物園からイボイモリの繁殖個体を譲り受け、飼育を開始しました。そして12月7日、約半数にあたる10頭をネオパークオキナワに送り出しました。

 飼育下では、メスが卵から性成熟するまで「4年以内」という報告があります。2009年12月現在、上野動物園で飼育しているイボイモリは9頭。うち4頭が孵化後7か月、5頭が孵化後18か月です。まだ、雌雄の確実な区別はつきません。

 今後、上野動物園とネオパークオキナワで情報を交換しながら、飼育下繁殖に取り組んでいく予定です。現段階ではまず、健康に育てていくことが目標です。性別がわかったら、各園での雌雄の比が1対1になるよう、個体交換して調整し、繁殖につなげるつもりです。

 イボイモリ二世の報告は、今しばらくお待ちください。

・写真一番下は搬出当日の輸送用梱包の状態

ネオパークオキナワ

〔上野動物園は虫類飼育展示係 齋藤祐輔〕

(2009年12月23日)



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