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多摩動物公園昆虫生態園では、さまざまな種類のチョウを一年中展示していますが、最近、季節限定のチョウが登場しました。といっても、新しい種類のチョウを展示し始めたわけではありません。
昆虫生態園では、黒地に白い帯状のもようの翅をもつシロオビアゲハというチョウがいるのですが、今の時期限定で、翅や体の一部がオレンジ色に染まったシロオビアゲハが見られます。このオレンジ色のもようは、羽化した直後には見られないため、チョウ本来のもようではありません。じつは翅や体についたオレンジ色の正体は、ホウオウボクという植物の花粉なのです。
ホウオウボクは、昆虫生態園の中心にそびえ立つ大きな木で、生態園のシンボルツリーとなっています。マダガスカル原産のマメ科の樹木で、2011年の夏は真っ赤な花がたくさん咲きました。シロオビアゲハがホウオウボクの花の蜜を吸うときに花粉が翅や体につくため、オレンジ色に染まったシロオビアゲハができあがったのです。
この花にはシロオビアゲハ以外のチョウも集まり、オレンジ色に色づいたナミアゲハなども見られます。
この夏、昆虫生態園にお越しの際は、たくさんの真っ赤な花を咲かせたホウオウボクと、オレンジ色に色づいた季節限定のチョウを探してみてください。また夕方になると、ホウオウボクの葉はチョウが休む場所として利用されます。夜間開園中には、昼間見ることができない、葉にぶら下がるチョウの姿をぜひごらんください。
写真上:オレンジ色の花粉をつけたシロオビアゲハ
写真中:ホウオウボクの真っ赤な花とシロオビアゲハ
写真下:昆虫生態園のシンボルツリー
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 田中陽介〕
(2011年08月19日)
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