葛西臨海水族園の「東京の海」エリア「小笠原の海4」では、タイマイを展示しています。
5歳になったタイマイは、あいかわらず悠々と水槽内を泳ぎまわったり、ときには岩のあいだに挟まってみたり、マイペースな姿を見せています。
来園当初から継続して体重測定をおこなっています。もちろん、成長の度合いを知るのが大きな目的です。しかし、それだけではありません。水槽ごしで見るよりもさらに近くでタイマイを観察できるため、異常を早期に発見できるメリットもあります。
また、水族園では体重からえさの量を計算し、体重管理をしています。生き物の健康をあずかっている飼育係にとって重要な仕事の一つです。
以前は体重計にそのままのせて測っていましたが、体が大きくなってくると体重計にのせることも動きを制御することも難しくなってきました。
そこで、現在ではつぎの方法で体重を測定しています。
(1)飼育係が一人で体重計にのる
(2)同じ飼育係がタイマイを持って体重計にのる
(3)2の数値から1の数値を引く
すると、タイマイの体重が測定できるというわけです。このやり方は、生き物の体重を測る方法として以前からよくおこなわれています。
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タイマイを持って体重計にのる | 超音波(エコー)検査 |
また、タイマイにとって負担にならず、かつ飼育係にも危険がない保定(動物を動かないようにおさえること)方法を探った結果、後足は飼育係の太ももで押さえ、前足を甲羅といっしょに抱えるかたちが良いこともわかりました。初めはまるでオールのような前足をぺちぺちと動かそうとして若干の抵抗を試みたタイマイでしたが、慣れてくるとおとなしく飼育係に抱えられるようになりました。近頃では超音波(エコー)検査などもできるようになりました。
このタイマイの現在の体重は約19キロ、甲羅の長さは約57センチ。順調に成長しています。
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〔葛西臨海水族園飼育展示係 川崎繭〕
(2017年08月18日)