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新入りニシキエビと成長したタイマイの関係
 └─2014/07/04

 葛西臨海水族園では、東京の海エリアの「伊豆七島の海4」水槽でニシキエビを展示しています。

 ニシキエビは、日本から南太平洋やインド洋の浅い岩礁やサンゴ礁に生息しています。名前の由来でもある、織物の錦のように派手で多彩な体の色が特徴です。イセエビ類のなかでは最も大きくなり、体長は55センチ、触角を含めると145センチに達するものもいます。

 展示中の2尾のニシキエビもとても大きく見えますが、現在の体長は35〜40センチくらいなので、さらに大きくなりそうです。

 さて、この水槽にはほかにも大きくて目立つ生物がいます。もうすぐ2歳になるタイマイです。当園にやってきた2013年9月では、甲らの長さは約30センチ、体重は約3キロでしたが、現在では、甲らの長さ約40センチ、体重約8キロにまで成長しました。

 タイマイには展示を始めたころからのお気に入りの場所があり、擬岩に囲まれた砂地やくぼみなど、少し狭いところで休んでいる姿をよく見ます。また、それらの場所は新入りのニシキエビにとっても居心地がいいようです。 

 ふだんはそれぞれ違う場所で過ごしているのですが、ある日、休んでいるタイマイにニシキエビがそっと近づいていきました。お気に入りの場所をめぐってケンカがおきるのではないかと心配になりましたが、ニシキエビの存在に気づいたタイマイが、まるで譲るかのようにゆっくりその場を離れました。

 ニシキエビ同士でも、触角の長い個体が幅を利かせているのか、気配を察したもう1尾が逃げるように移動するようすを何度も目撃しました。たまに移動しないことはあっても、争いになることはありません。

 現在この触角が長いニシキエビが一番大きいのですが、タイマイもよく成長しており、もう1尾のニシキエビも脱皮すれば大きくなります。タイマイとニシキエビの良い関係が続くことを願いつつ、これからの成長をじっくり見守りたいと思います。

写真上:ニシキエビ
写真下:タイマイ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2014年07月04日)



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