先週の記事「南米チリの海産食材あれこれ」の中で食材としてのピコロコをご紹介しましたが、この出張では展示するための生きたピコロコも採集し葛西臨海水族園に搬入しています。
搬入したピコロコは約60時間かかった輸送のダメージから回復させるため、予備の水槽でまとめて飼育していました。
搬入から6日後、予備水槽のピコロコのようすを見ていると、なにやら長い管のようなものをクネクネと伸ばしていました。これは生殖器で、岩に付着して動き回ることのできないピコロコは、この長い管を通して精子をほかのピコロコに受け渡して子孫を残しているのです。
・前回の記事
「南米チリの海産食材あれこれ」
・
「大きなフジツボの小さい赤ちゃん」(2010/08/06)
・長い生殖器について
「ピコロコの長~いオチンチン」(2010/07/30)
このピコロコの交尾のようすを撮影することができたのでご紹介します。
【ピコロコの交尾動画】
WindowsMedia形式 QuickTime形式
動画は水面越しに撮影しているため画面が揺れてしまっていますが、細長い生殖器がほかの個体を探り当て、その中を白い精子が通っていくようすが分かると思います。
写真上:巨大フジツボ「ピコロコ」(標本)
写真下:細長い生殖器を使って交尾
〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕
(2011年09月09日)