動物の体のつくりと運動
小学校・理科・4年生
東京書籍「動物のからだのつくりと運動」
大日本図書「わたしたちの体と運動」
動物の体にも、ヒトと同じように、ほね、きん肉、関節があり、
これらのはたらきによって、体を動かすことができます。
動物の体とヒトの体で、にているところやちがうところを探してみましょう。
小学生のみなさんへ
まずは【小学生のページ】を開き、動物の体とヒトの体をくらべるワークにちょうせんしましょう。
教員の方へ
【教員のページ】では、【小学生のページ】掲載のワークについての解説、【教材集】では、取り扱っている動物種についての解説をお読みいただけます。
小学生のページ
小学生のページ
このワークにそって、ヒトの体とくらべながら、キリンの体のつくりについて考えてみましょう。はじめにキリンの足のほねと関節かんせつについて調べ、次に、きん肉にくがたくさんついている場所を見つけます。
準備
キリンの写真と体のほねのイラストを印刷しましょう。
ワーク1
キリンの歩く動画を見ながら、キリンの後ろ足の、曲がったり伸びたりするところ(関節)を探して、右のヒトの写真のように、キリンの写真に印をつけましょう。印はいくつつけてもOKです。
ワーク2
ヒトとキリン、体の形はまったくちがって見えますが、実はほねや関節のならぶ順番は同じです。 たとえばヒトの足なら、体の中心からみると「こつばん」の次に「太もものほね(大たいこつ)」があり、その次に「すねのほね」があります。「こつばん」と「太もものほね」の間の関節が「足のつけね」で、その次にある関節が「ひざ」、その次にある関節が「足首」です。
では、キリンの後ろ足のほねのうち、「太もものほね」「すねのほね」はどれでしょうか。また、「足のつけね」「ひざ」「後ろ足首」の位置はどこでしょうか。キリンのほねのイラストに書きこみましょう。
ワーク3
キリンのほねのイラストとキリンの写真を見くらべながら、キリンの写真にも後ろ足の関節「足のつけね」「ひざ」「後ろ足首」を書きこみましょう。また、キリンの歩く動画をもういちど見て、「足のつけね」「ひざ」「後ろ足首」の位置が曲がることを確かめましょう。
ワーク4
キリンの体では、どの部分の筋肉が特に発達していると思いますか?キリンのほねのイラストに〇で印をつけましょう。
〇はいくつつけてもOKです。また、その筋肉は何のために/どんなときによく使われるかも書き込みましょう。
ワーク5
同じ方法で、ライオンやアフリカゾウなど他の動物も調べてみよう。それぞれの写真、ほねのイラスト、歩く動画は【教材集】にあります。
教員のページ
教員のページ
このページには、小学校4年理科「わたしたちの体と運動」の単元で利用できそうな教材を集めてあります。ヒトとヒト以外の動物の体の骨を比較できるように、いろいろな動物の全身骨格イラストをご用意しました。また、いろいろな動物の体の動きを比較できるように、動物が歩いているところを撮影した動画をYouTubeでご覧いただけます。 動物の体とヒトの体の共通点や相違点を、子どもたちが楽しみながら発見する手助けとなれば幸いです。
【小学生のページ】に、教材を用いたワークを用意しました。その解説を以下に掲載しています。ワークは、そのまま用いても、先生方ご自身でアレンジしてもOKです。
ワークのねらい
ねらい1
ヒトとその他の動物で、同じ役割の骨があることや骨の並び順が同じだが、骨の形や大きさが違うために、関節の絶対的な位置が違ってみえることを理解する。
ねらい2
ヒトもその他の動物も、骨のまわりには筋肉があること、また、筋肉がとくに発達している部分は動物によってさまざまであることを理解する。
ワーク1の解説
小学生のワーク
キリンの歩く動画を見ながら、キリンの後ろ足の、曲がったり伸びたりするところ(関節)を探して、右のヒトの写真のように、キリンの写真に印をつけましょう。印はいくつつけてもOKです。
解説
キリンの歩く動画を見ると、キリンの後ろ足は左図の●印や★印の位置で曲がったりのびたりして動いていることがわかります。
●印で示した関節は、上から「足の付け根(股関節)」「ひざ」「後ろ足首」です。一番下の★印も関節には違いないのですが、ここは指の骨の間の関節で、後ろ足首ではありません。詳しくは次の項目で解説します。
ワーク2の解説
小学生のワーク
ヒトとキリン、体の形はまったくちがって見えますが、実はほねや関節のならぶ順番は同じです。 たとえばヒトの足なら、体の中心からみると「こつばん」の次に「太もものほね(大たいこつ)」があり、その次に「すねのほね」があります。「こつばん」と「太もものほね」の間の関節が「足のつけね」で、その次にある関節が「ひざ」、その次にある関節が「足首」です。
では、キリンの後ろ足のほねのうち、「太もものほね」「すねのほね」はどれでしょうか。また、「足のつけね」「ひざ」「後ろ足首」の位置はどこでしょうか。キリンのほねのイラストに書きこみましょう。
解説
ヒトとキリンの体の形は全く違って見えますが、骨をみると共通点もたくさんあります。例えば、脳を守る骨(頭蓋骨)、肺や心臓を守るかごのような骨(肋骨)、体の中心となる骨(背骨)があります。そして、骨や関節の並び順が同じです。
体幹部からみて、骨盤の次にあるのが太ももの骨、その次がすねの骨、それより先にあるのは指の骨です。骨盤と太ももの骨のつなぎ目が「足の付け根(股関節)」、その次にある関節は、太ももの骨とすねの骨のつなぎ目、つまり「ひざ」、その次にある関節は「後ろ足首」です。
ワーク3の解説
小学生のワーク
キリンのほねのイラストとのキリン写真を見くらべながら、キリンの写真にも後ろ足の関節「足のつけね」「ひざ」「後ろ足首」を書きこみましょう。また、キリンの歩く動画をもういちど見て、「足のつけね」「ひざ」「後ろ足首」の位置が曲がることを確かめましょう。
解説
キリンの骨のイラストと関節の位置に印をつけたキリンの写真を見比べます。キリンの写真でみると、後ろ足の関節「足の付け根(股関節)・ひざ・後ろ足首」の位置は左の図のようになります。
実は、ヒトとキリンで「ひざの曲がる向き」も同じです。まずは自分のひざを曲げて、前向きに曲がることを確かめましょう。そして、キリンが歩く動画を見ると、キリンのひざも前に曲がることがわかります。
ワーク4の解説
小学生のワーク
キリンの体では、どの部分の筋肉が特に発達していると思いますか?キリンのほねのイラストに〇で印をつけましょう。 〇はいくつつけてもOKです。また、その筋肉は何のために/どんなときによく使われるかも書き込みましょう。
解説
筋肉は、頭から足の先まで全身にあります。その中でも特に筋肉が発達している箇所がいくつかあります。たとえばヒトの腕では、手の甲や手首は触ると硬く、皮膚の下に骨があるのが分かりますが、上腕は触るとやわらかく、筋肉が分厚いことが分かります。
キリンの体で特に筋肉が発達している箇所としては、
• 前足(上腕骨周り)・後ろ足(大腿骨周り):歩いたり走ったりするための筋肉がついている
• 首周り:頭と長い首を支えるための筋肉がついている
などが挙げられます。ほかにも筋肉が特に発達していそうな箇所はあるか、探してみましょう。
※教材集:キリンも参照してください。
ワーク5の解説
小学生のワーク
同じ方法で、ライオンやアフリカゾウなど他の動物も調べてみよう。それぞれの写真、骨のイラスト、歩く動画は【教材集】にあります。
関節の位置
ライオンやチーターも、骨や関節の並ぶ順番はヒト・キリンと同じです。
筋肉が発達しているところ
ライオンの場合
大半の四足動物では、歩く・走るときに後ろ足で地面を蹴ることで前へ進む推進力を得るので、前足(上腕骨周り)よりも後ろ足(大腿骨周り)のほうが筋肉は発達しています。
しかしライオンの場合は、後ろ足だけでなく前足の筋肉も発達しています。前足の筋肉は、狩りの際に獲物を押さえつけるのに役立っています。また、前足の大きな筋肉を付着させるため肩甲骨が幅広くなっています。
※教材集:ライオンも参照してください。
チーターの場合
前足・後ろ足に加えて、胸の筋肉も発達しています。チーターは走りながら急カーブする際、体を深く傾けます(走行中のバイクがカーブを曲がる際に車体を倒すのと同じです)。発達した胸の筋肉は、体を傾けたまま走るのに役立つことがわかっています。
※教材集:チーターも参照してください。
関節の位置
アフリカゾウやアジアゾウも、骨や関節の並ぶ順番はヒト・キリンと同じです。
筋肉が発達しているところ
アフリカゾウ・アジアゾウも、上腕骨・大腿骨周りには大きな筋肉がついています。そのほか、とても重い頭を支えるため、首から肩にかけても筋肉が発達しています。なお、ゾウの長い鼻の中には骨がありません。ゾウの鼻はほとんど筋肉でできているのです。
※教材集:アフリカゾウ、アジアゾウも参照してください。
発展:動物の立ち方
ライオンやキリンなどは、ヒトと異なり、立っているとき「かかと」を地面につけていません。動物の立ち方には3パターンあり、それぞれ得意な動きが異なります。
蹄行性(ていこうせい)
指の先だけを地面につけます。かかとを浮かせたぶん足が長くなるため、速く走るのに最も適した立ち方です。キリン・ウシ・ヤギ・ヒツジ・ウマなど草食動物に多く、捕食者から逃げるのに有利です。指先への負担が大きいので、指先をぐるりと囲む爪(蹄)で守っています。
蹠行性(しょこうせい)
かかとを地面につけます。ヒトが普段している立ち方です。最も安定性が高いです。後ろ足2本で立ち、前足でえさや木の枝などをつかむ動きもできます。ヒトやチンパンジーなどサルのなかまのほか、レッサーパンダやクマもこのタイプです。
指行性(しこうせい)
指の付け根から指先までを地面につけます。①の蹄行性と②の蹠行性の中間です。ネコのなかまやイヌのなかまなど、肉食動物に多いです。指の先だけ地面につく(蹄行性)よりは安定性が高く、複雑な地形の場所を移動するのにも適しています。
教材集
教材集
このページでは、キリン、ライオン、アフリカゾウ、その他さまざまな動物のほねのイラストをダウンロードできます。また、いろいろな動物の体の動き方を動画で見ることができます。
キリン
陸上で最も背(せ)の高い動物です。おとなのキリンは、頭のてっぺんから足の先まで4~5mあります。
実物大のキリンの足
印刷してはり合わせると、キリンの後ろ足の本当の大きさがわかるシートのできあがり!
「キリンの後ろ足 実物大シート」のうち右後ろ足の骨の実際の長さは191cmです。ヒトの身長よりも長い足をもつキリンですが、ヒトと共通するところもたくさんあります。
前足や後ろ足の他、首も筋肉が特に発達しています。キリンの首には、筋肉に加え分厚い靭帯もあり、これがキリンの首を上に引っ張り上げるはたらきをしています。
ライオン
狩(か)りをする肉食動物です。群れで協力して、自分よりも大きな動物をとらえることがあります。大きな前足は、えものをおさえつけるときに役立ちます。
オスにはたてがみがありますが、メスにはありません。当たり前のように思われるかもしれませんが、オスとメスの違いが毛にはっきり表れるのは、ネコ科動物としてはめずらしいことです。
多摩動物公園でくらすライオンのオスは、たてがみが顔まわりだけではなく胴まわりまで生えています。オスのたてがみには、体を大きく見せ、強さを誇示する効果があると考えられています。ライオンの体の形や筋肉の動きを観察したいときは、メスを観察するのがおすすめです。
後ろ足だけでなく前足も筋肉が非常に発達しており、獲物を前足で押さえつけるのに役立っています。ライオンの肩甲骨が幅広なのは、その前足を動かすための筋肉がくっつく場所がたくさん必要だからです。
チーター
ライオンと同じでネコのなかまですが、ライオンとはちがい、ふつうは単独(たんどく)でくらします。時速約100kmで走ることができます。
基本的な体のつくりはライオンと同様ですが、ライオンと比べると、体に対する頭のサイズが小さく、足が長いです。高速で走ることにより適した体つきをしています。
アフリカゾウ
陸上で最も体が重い動物で、草食です。おとなのアフリカゾウは、オスで7000kgになることもあります。
歩いているアフリカゾウを見ると、足はかかとまで地面についているように見えます。しかしアフリカゾウの骨のイラストをみると、かかとの骨は地面についていません。実は、ゾウのかかとの下には、脂肪や繊維でできた弾力のあるパッドが入っています。体の重いゾウが地面に足をつくときの衝撃を、このパッドがやわらげています。だから、ゾウは足音がほとんどしません。
アフリカゾウの長い鼻の中には骨がありません。ゾウの鼻はほとんど筋肉でできています。骨がないので、鼻はいろいろな方向に曲がるだけでなく伸び縮みもします。
アジアゾウ
アフリカゾウに並び陸上で最大級の動物です。おとなのアジアゾウは、体重が3000~5000kgぐらいあります。
アフリカゾウとアジアゾウで、基本的な体のつくりは同じです。かかとの下に脂肪や繊維でできたパッドが入っていること、長い鼻の中に骨がないことも共通しています。ただし、体の形にはいくつか違いがあります。例えば、頭頂部や背中の形状、耳の大きさなどが異なります。
ヒト
動物の中でもヒトに特有の直立二足歩行。体幹をまっすぐ保ったまま後ろ足2本で歩く動物は他にいません。ヒト以外の動物も二足歩行をすることがありますが、体幹やひざがまっすぐには伸びず、「直立二足歩行」ではありません。
ヒトの体の骨は、直立二足歩行に適した形をしています。例えば、骨盤は内臓を支えるためお椀のような形をしています。また、太ももの骨がまっすぐではなく約10度傾いているため、体の重心の真下に足をつくことができます。
チンパンジー
地面を歩くとき、前足の指を第二関節で曲げて、指の背側を地面につけて歩きます。この歩き方を「ナックルウォーク」といいます。このとき後ろ足は、ヒトと同じでかかとを地面につけています。
木やタワーの上など高いところに登る動きも得意です。前足だけでなく後ろ足も、親指と他の4本の指が離れており、そのため前足でも後ろ足でも木の枝やロープを握ることができます。
アカカンガルー
母親のふくろの中で赤ちゃんを育てる「有袋類(ゆうたいるい)」の一種です。オーストラリアの草原で群れをつくってくらします。後ろ足は左右バラバラではなく同時に動かして前に進みます。
歩くときも走るときも、後ろ足は左右バラバラではなく同時に前に出ます。歩くときは、尾と前足を地面につけて体を支えている間に、左右の後ろ足を同時に前に出します。後ろ足だけで立ち上がるときにも、尾で体を支えます。
走るときは、前足は地面につかず、後ろ足でジャンプして前に進みます。その際、前に傾きがちな上半身とのバランスをとるため、尾を後ろに伸ばします。
ニホンコウノトリ
川や湿地(しっち)のある林にすむ鳥です。水辺で魚やカエル、虫などをとって食べ、高い木の上に巣をつくります。おとなのニホンコウノトリは、頭のてっぺんから足の先までは約1.1m、両方のつばさをひろげた長さは約2mあります。
鳥類は、前足は羽が生えた翼になっていて、後ろ足だけで立ちます。でも、哺乳類の前足・後ろ足と同じ骨・関節があります。
太ももの骨がとても短く、胴体に近いところで体を支える役割をしています。ひざ下あたりまでは羽毛におおわれていてよく見えません。
ニホンコウノトリの足のうち、外から見えているのはひざより下の部分です。後ろに曲がっている関節は足首です。

