ユーラシアカワウソはまだまだ放飼練習中

2026年10月16日

2026年2月に、ユーラシアカワウソ2頭が韓国のソウル動物園から多摩動物公園に来園しました。ユーラシアカワウソの展示は、多摩動物公園では初めてです。

来園した2頭は「ダル」(オス、8歳)と「ビョル」(メス、3歳)といいます。ダルは韓国語で「月」、ビョルは韓国語で「星」を意味します。来園から10月で8か月がすぎ、いろいろと慣れてきてはいますが、まだまだ不慣れな放飼練習についてお話します。

放飼場に出たあとの2頭はプールに入れたドジョウを追いかけて食べるというアクティブな動きを見せるのですが、食べ終えてしまうと、ダルもビョルも、最初のうちは放飼場の洞穴の中で落ち着いてしまうことが多かったです。放飼練習を始めた時期は夏の暑い時期で、洞穴は直射日光が当たり、中の温度が高くなる恐れがありました。

そこで洞穴の中に氷を入れておくようにしました。ビョルは氷によく反応して鼻先で押して動かしていたりしました。しばらくして、放飼場にも慣れてくると洞穴以外の場所で休息することが多くなってきました。

とくにダルは、コンクリート舗装された、たたきの上や箱の中といろいろなところで寝ていることがありました。放飼場には大きなくぼみが2つあり、中には砂利が入っています。このくぼみに箱を置いてあります。カワウソが箱の中で休めるようにと置いたのですが、最近、2頭ともこの箱の下、砂利との隙間に潜り込むことを覚えてしまいました。カワウソたちが箱の下に潜ってしまうと放飼場に何もいないような状態になることもしばしばです。

放飼練習では、個体による差がとても大きく出たと感じています。オスのダルはソウル動物園でも展示スペースに出ていたこともあり、ある程度は問題なくいくだろうと思っていました。

一方、メスのビョルはとても慎重で、新しい環境に慣れるのには時間がかかり、初めて放飼場に出すのに30分以上かかりました。新しい環境である放飼場はビョルにとって、嫌な場所だったようで部屋に入るための扉を開けるとすぐに部屋に戻ってくるので、収容はうまくいっていました。

ところが、だんだんと慣れて放飼場での居場所が決まってくると、今度は室内に収容するのに時間がかかるようになりました。収容に関しては最近でも、時間がかかることがあります。扉を開けると、扉の前までは来ているのに、ちょっとだけ入ってきて、部屋には向かわず、そのまま外に戻ってしまうというのを繰り返します。部屋に入ればえさがあることもわかっているはずなのですが、なかなか入ってきません。ビョルが慣れてくれるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。

現在はコツメカワウソとユーラシアカワウソの2種で、一つの放飼場を使う状況ですので、もうしばらく、ユーラシアカワウソは午後に放飼練習をおこなうかたちとなります。

放飼場で休息する「ダル」
放飼場で休息する「ダル」

〔多摩動物公園南園飼育展示第1係 土屋泉〕

関連記事