インドサイ親子の体重測定

2026年7月24日

インドサイの母親「ゴポン」と、今年(2026年)の9月に2歳を迎える子どもの「デコポン」。

今回は、多摩動物公園で飼育している2頭の最新の成長のようすと、日々飼育担当が試行錯誤を重ねながら取り組んでいる体重測定のくふうをご紹介します。

文献ではインドサイの2歳ごろの標準体重は約900~1,200kgで、この時期をすぎると増加は緩やかになるといわれています。デコポンも、7月の測定では908kgであり、順調な成長を遂げているといえます。

ゴポンについては、以前の記事でもご紹介したとおり、これまでの測定用の板はゴポンにとって小さく、体重を測ることができませんでした。しかし、今年度からサポーター資金を活用して、このたび測定用の板を新調することができました。頑丈で大きく厚い板に新調したため、ゴポンの測定も可能になりました。気になるゴポンの7月の体重は、2,151kgでした。

体重計に乗っているゴポン
体重計に乗っているゴポン

測定は、朝夕の親子の出入舎の際に、運動場と寝室間の通路に体重計を設置して、その上でサイを1頭ずつ停止させておこなっています。しかし、育ち盛りの子どもと大きな体の母親の2頭です。どちらか一方が体重計に乗っても、後から来たもう1頭に押し出されたり、運動場に行きたくて急いで通過してしまったりと一筋縄ではいきませんでした。体重計の上できちんと止まってもらうため、私たちはさまざまなくふうを凝らしてきました。

通路は狭いので2頭が同時に通過することはできません。そこで重要になったのが、通路に通す順番でした。母親のゴポンはこれまでのトレーニングにより、係員の号令である程度誘導することができます。

まず、ゴポンを寝室で待機させているあいだにデコポンを誘導したのですが、測定が完了する前に通路の先にある運動場へ駆け抜けてしまい失敗。また、ゴポンも我が子が気になるようで、後ろからデコポンを押し出すように運動場へ向かってしまうこともありました。

そこで次は順番を入れ替えて、先にゴポンを通路に誘導し、体重計の先の出口を体で塞ぐように待機させ、その後からデコポンを誘導するようにしました。これが成功し、デコポンが先に進もうとしても、目の前には母親の壁があります。行き止まりとなっているので体重計に留まる時間が長くなり、しっかりと測定できるようになりました。

通路の出口をゴポンで塞いでいるようす
通路の出口をゴポンで塞いでいるようす

しかし、この方法でも新たな問題が発生しました。体重2tを超えるゴポンが先に通過する際、その巨体とパワーで板や体重計がずれてしまい、後からデコポンが乗ると正しい体重が測れないのです。

この問題を解決するために、今度は板を加工しました。体重計に沿った枠をつけ、板の四隅には角材で厚みをもたせることで、板の跳ね上がりを抑制しました。これによってゴポンが力強く通過してもずれることはなくなり、現在は2頭とも安定して測定できるようになりました。

手前が以前の板、奥が新調した大きな板
手前が以前の板、奥が新調した大きな板

これからもさまざまなくふうを重ねながら、親子の健康と成長をしっかりと見守っていきます。

〔多摩動物公園飼育展示課南園2係 岩崎〕

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