チーターが群馬サファリパークに移動しました
2026年6月12日
多摩動物公園で飼育していたチーターのオス2頭「ケビン」と「ダミアン」が、2025年5月13日に群馬サファリパークに移動しました。この兄弟は2023年にリーG.シモンズワイルドサファリパーク(アメリカ・ネブラスカ州)から来園しました。
ケビンとダミアンは、国内で繁殖の優先度が高い個体です。移動することになった理由の一つとして、当園のメスに発情が見られた際にお見合いや同居をさせても、メスに対する興味を示さなかったことがあげられます。
チーターの繁殖には雌雄の相性が重要で、相性が悪いと今回のケビンとダミアンのように興味を示さないことや、喧嘩してしまうこともあります。
たとえば、当園で飼育している「イブキ」(オス)では、「デュラ」(メス)の発情にはかなり反応しますが、デュラ以外にはあまり興味を示しません。群馬サファリパークにも複数のメスがおり、ケビンとダミアンも相性のよいメスに会えば、繁殖につなげられるのではないかとの期待から、今回移動することになりました。
動物を移動する際には、箱(「輸送箱」と呼びます)に動物を入れて、移動させることがほとんどです。動物にあった箱の大きさ、強度が必要で、今回の移動に使ったのは、幅70×長さ124×高さ105cmの鉄製の箱です。重さは約200kgもあり、職員4人がかりで獣舎内に2つ運び入れました。
移動前の準備として、チーターが自ら入ってくれるよう箱に慣らすトレーニングをおこないます。多くの場合、初日はいっさい近づかなかったり、入っても前脚だけだったりということがほとんどです。そのため、箱の中にえさを入れるなどして、少しずつ慣らしていくことで中に誘導していきます。
今回は1か月前からトレーニングを開始しました。トレーニング初日、ケビンとダミアンはともに最初はかなり警戒したようすでしたが、箱を覗いた際に肉を落とすと半身がすぐに箱に入りました。名前を呼びながら徐々に誘導していくと、あまり警戒していないようすで全身が入り、トレーニング終了まで箱に入ったまま、えさを受け取りました。
次の日からは肉を見せながら呼ぶとすぐに箱の中に入り、落ち着いたようすでした。移動当日も、それぞれが自ら箱に入り、無事に2頭を群馬サファリパークに届けることができました。
群馬サファリパークには、当園から「クラリス」(メス)が2018年に移動しており、2022年に繁殖していますので、ケビンとダミアンにも新たなメスと出会い、期待に応えてがんばってほしいと思います。
〔多摩動物公園北園飼育展示係 前田〕

