シロテテナガザル飼育の新しい試み[その2]
投稿日:2026.04.03
更新日:2026.04.03
2024年11月15日に東京ズーネットに掲載した「シロテテナガザル飼育の新しい試み」の続編をお届けします。
多摩動物公園では3頭のシロテテナガザルを飼育しています。オスの「テテ」とメスの「ミツ」、そして2頭のあいだに生まれたオスの「ハリ」がいます。
前回の記事では、吊るすタイプのはかりを導入し、テナガザルの体重を計ろうとしましたが、結果的にうまくいきませんでした。
当初、シロテテナガザルは樹上でくらす動物なので、量りから吊るしたロープに簡単につかまることができると考え、えさ入れのついたロープを放飼場に設置しました。しかし、前足はロープを持つものの、後ろ足が鉄格子をつかんでしまうので正確な測定ができませんでした。鉄格子から離しすぎると、体重の数値が読み取れず、えさも設置できなくなります。
今年体重測定を始めたオランウータンも同様で、不安定なロープにつかまっていることは好まないようです。オランウータンの体重計も吊るすタイプですが、大胆な個体以外は体重計以外の部分をつかんでしまうため、正確に計れません。やはり安定した足場の方が落ち着いて乗ると予想されます。
そこで、野菜などの重さを計る「上皿はかり」を使用してテナガザルの体重を計ることにしました。体重計を木材でしっかり覆ってテナガザルへ警戒心も和らげることにしました。
問題は設置場所です。どのテナガザルも飼育担当者がガラス前に近づくと寄ってきます。また小高い場所を好みます。そこで展示ガラス面の前に少し高さをつけて設置しました。担当者が体重計の前に立ち、テナガザルが乗ったときに数値を確認することにしました。
その結果、狙い通り3頭とも体重計に乗りました。ミツは6.2kg、ハリは5.7kg、テテは5.2kg。いずれも平均的な体重でした。
しかし、一つ問題が発生しました。体重計の目盛りが頻繁にずれるようになったのです。おそらく、テナガザルたちが勢いよく飛び乗った影響と思われます。改善を試みましたが、気がつくとずれています。本来の用途とは異なる使い方をしているため、大きな負荷に耐えられないようです。
今後は、得られた体重データを飼育管理に活かし、体重計の改良に努めていきます。
〔多摩動物公園南園飼育展示第2係 志田〕
(2026年04月03日)

