動物個体管理事務の仕事紹介 ~ANIMAL INVENTORY~
投稿日:2026.03.20
更新日:2026.03.20
多摩動物公園では、現在飼育している動物の種類と個体の数(員数)を把握するために、個体毎の記録をつけるだけでなく、統計資料を作成しています。このことは未来に当時の飼育動物の記録を正確に残す意味でも重要な役割を担います。今回は、「ANIMAL INVENTORY」(アニマル・インベントリー)を紹介します。
「Animal Inventory」を翻訳すると「動物在庫表」となります。これは園内で飼育されている動物の員数について1年間での増減を、動物の分類毎にわかりやすく一覧にしたものです。以前紹介した飼育動物一覧表は月ごとにまとめられたものでしたが、ANIMAL INVENTORYは1月1日~12月31日の1年間でまとめられています。
脊椎動物は種類毎に増減の数字が記入されており、1年でどれだけ飼育頭数に変化があったのか一目でわかるようになっています。
増加では「繁殖」、ほかの動物園などから搬入した数の「転入」、減少では「死亡」、ほかの動物園などに搬出した数の「転出」がおもなデータとして載っています。昆虫など無脊椎動物については、員数の把握は難しいため、員数ではなく1年間に飼育実績があった種を載せています。
さらに、ほかの動物園などから繁殖を目的として貸出し、または借受けている動物の種類と頭数も載せてあり、園外で飼育されている多摩動物公園の所有する個体や園内で飼育する他園から借受けている個体を把握できるようになっています。
作成には飼育担当者から提出される「青紙」、「赤紙」と動物個体管理事務担当者が作成する「個体カード」をもとに、書類の提出漏れや間違い、見落としがないかを、飼育日誌や飼育係からの情報収集と照合して丁寧に確認しています。
そして、種名や亜種名、学名、英名の情報を更新しているのはもちろんのこと、種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)、IUCN(国際自然保護連合)レッドリストカテゴリーやワシントン条約規制対象の該当の有無なども同様にわかるよう作成しています。
このように動物個体管理事務担当者は、飼育担当者から提出された帳票をもとにANIMAL INVENTORYなどを作成し、現在の種類や飼育頭数などを記録として正確に残し、未来に動物園で働く世代がこれまでの飼育変遷を知ることができるよう、バトンを繋いでいます。また、国内のほかの動物園などともANIMAL INVENTORYの情報を共有することで、展示収集計画の作成や繁殖を目的とする動物の移動などに役立てています。
これまでの動物個体管理事務の仕事を紹介する記事を合わせてご覧いただくことで理解を深められると思います。
〔多摩動物公園調整係 浅川〕
(2026年03月20日)

