>>七つの海
大昔、世界は一つの大きな海だった。そこに陸地が現れ、海は七つに分断された。それぞれの海は独自のコミュニティを形成し発展した。
人が空を飛ぶ事を知る前、海は重要な交易路であった。海の上では市場が開かれ、経済の中心地は海の上にあった。近年、世界規模の海中パイプラインネットワークが構築された事に伴い、物流の中心は海に戻りつつある。その長所としては、輸送コストの低減、連続的な輸送による流動化及び効率化、環境への配慮がある。再び海には市場が開かれ、海中ドームが多数建設され人の住む海中街が生まれている。
太平洋T
太平洋の北半球のエリアである。海底深くにあるムーにより統治され、治安は比較的安定している。
>ネズミフグ
愛嬌のある可愛い奴である。口は常に笑顔を絶やさない。いつも楽しい事を考えている。
>メガネモチノウオ
別名で英雄ナポレオンの名を冠する通り、海に危機が訪れた時に現れ、海に平和をもたらす使者である。ゆっくりと海中を回遊する姿は凛として正に調停者と呼ぶにふさわしい。大きな頭蓋に見合って知能も高く、他の海の生物と交信する事も可能である。
>ドクウツボ
大きく開いた口から猛毒を吐き出し、その毒はマッコウクジラを3秒で殺すほどである。悪の化身であり、その行く所には争いが絶えない。厄病神のような奴である。
>テングハギ
ひらひらしたひれと愛嬌のある顔で温厚そうに見えるが、額の巨大な角と尾びれの所に隠し持つ爪で攻撃力は意外と高い。なめてかかると痛い目にあう。
>テングハギモドキ
ブラックテングハギとも言われ、テングハギの名を語る全くの偽者である。頭部の大きな角が無いので傍目には間違う事はまず無いが、本人は誤魔化せていると完全に信じ込んでいる。
>ヒカリキンメダイ
キンメダイが光のパワーで変身したものである。もともと暗い所の得意なキンメダイだが、更に暗くても平気になる。地球時間で3年間だけこの姿でいられる。よって変身シーンは滅多に見ることは出来ない。
>ハナミノカサゴ
常にきらびやかな衣装を身にまとう海中劇場のスターである。世界興行に出掛ける事もしばしば。本人は器量が少し悪い事を気にしている。
>アカマツカサ
黄金に輝く黄金の鎧に身を包み、千里を見通す大きな目で海の平静を守る平和の使者である。怒ると体中の鱗が逆立ちさながら松ぼっくりのようである。
太平洋U
太平洋の南半球のエリアである。北半球とは反対に大きな統治者が居らず、治安はあまり良くない。海の生物にとっての聖地であるグレートバリアリーフがあり、聖地を巡る争いも絶えない。
>ナーサリーフィッシュ
じっと動かず気配を消し敵が来るのを待ち構えている。隠密行動を得意とする海の忍者だ。
>ヒメシャコガイ
ひらひらとしたレースをなびかせる貝界の貴婦人である。ホタテもアワビも彼女にはくらくらである。心(殻)を開いた時は要注意である。その魅力の虜になった者はたちまち消化されてしまうのだ。
>ブルーデビル
深き青のマントに身を包み、神出鬼没に現れては子供をさらっていく。なぜそんな事をするのかは不明だが、とにかく悪な奴である。
>ペスチャンチョ
極度のものぐさでもう三年間位風呂に入っていない。おかげで肌はがさがさ荒れ放題。不摂生がたたってヒレもむくんできた。
>ブルズアイジョーフィッシュ
砂風呂好きである。あんまりに気持ちが良いので目と口をあいたまま寝ている。
>オールドワイフ
オールドとは言いながら、中々のお洒落さんで最新モードのドレスに身を包み、さっそうと町を行くマダムである。平日は自由が丘あたりに出没し、休日は青山でショッピングである。
インド洋
比較的温暖で穏やかな海。小さいが歴史の深い海で古い伝統を重んじる傾向がある。
>リーフィーシードラゴン
中国の伝説にもある龍の子孫である。かつては嵐を起こす力もあったが、サイズも小さくなり、力も弱まってしまったため、海藻に擬態する事で生存権を得ている。しかし、その血統は高貴なものの出である事に間違いは無い。
>モーリシャスの魚達
この水槽の色とりどりの魚達はそれぞれヒーローである。別名でモーリシャスイエローやモーリシャスゼブラという名を持ち悪と闘う時には合体して巨大ロボになる。巨大と言っても2歳児程度の身長である。
>ミナミハコフグ
ぷりぷりの体のちっちゃなヒレで一生懸命泳いでいる。最近体系を気にしていて、ダイエットに励んでいると言われている。
大西洋
大きな海。海底大国アトランティスの影響下で、工業化や産業化が推進されている。
>ランプサッカー
いかつい顔、ごつごつとした突起と体下に吸盤を持つその異様な風体はしゃれこうべを連想させ、みるものに恐怖感を与える。大きく力強い口はあらゆるものを噛み砕き、突起は体当たり、吸盤は相手を引き付け離さないという全身凶器と言う危険な魚である。アトランティス帝国の兵隊として品種改良されたと言う説もある。
>ターボット/プレイス
この二種は昔、一卵性双生児として生まれたものが生き残りそれぞれ別々に進化したものである。その証拠にお互いが腹でくっつくと丁度魚一匹分になる。
>バードフィンガーフィン
胸鰭の一部が鷹の爪の様に発達している。鳥類が爬虫類を介さずに進化したと言う説の元となった魚である。これは、海の世界が一時的に飽和すれば陸地と同様に新たな生活空間を空に求めるのは当然の事と考える説である。
>レッドフィンガーズ
体の下から枝のような手が生えている。休む時に地面につかまるだけでなく歯を磨いたり、パンにバターを塗ったりと何かと便利な手である。本業はロッククライマーでその手でどんな高い崖にもがっちり掴まり登る事が出来る。
>グースフィッシュ
宇宙から侵略のためにやって来た魚である。頭から生えたアンテナで故郷の惑星と交信する。大きな口で相手を一のみにする。
カリブ海
経済面や流通面においてそれほどの要所ではないが、独自の文化を形成し、誇り高き民族が住む神秘の海である。
>ジャックナイフフィッシュ
その名の通り鋭いナイフのような体の魚。必殺技は回転ノコギリ。
>スクロウルドカウフィッシュ
まだ電気機器が一般的でなかった時代にパタパタと動かすヒレがうちわとして重宝された。
>イエローゴートフィッシュ
ヤギのようなひげをたくわえた魚である。童顔に悩み、ひげを生やしてみたらしい。
>ストップライトパロットフィッシュ
大のサッカー好きで自分の体全体にサッカーボールのボディペインティングを施している。
深海
深海は光の当たらない世界、つまり地上で言えば夜の世界であり、冥界であり、地獄でもある。ここにいるのは地獄のいかめしい魚達である。
>キホウボウ
水圧の高い深海で泳ぐ事は、人間が空気中に浮かぶ事と同じ様に難しく体力の要る事である。そこでキホウボウは考えた末、「何なら無理して泳がなくても歩きゃ良いじゃん」と気付いた。そこで体の下に足を生やし、今では本当の意味での海底散歩が趣味となっている。
>ジャイアントアイソポッド
小型の深海魚をおなかの中に詰めて深海をゆっくりと航海する母船型生物である。その装甲は一万メートルの海底の水圧にも耐えることが出来、移動型シェルターとも言える。近年では小型カメラを搭載し、まだ見ぬ超深度の探索にも活躍している。
>トリノアシ
ブゥードゥー教の呪術にサルの手と言うのがある。願い事を叶える代わりに願った人の命を奪うというものである。これはそれの深海番と言ったところで、例え海の底でも、嫉妬やねたみと言った感情は発生する、そんな願いを叶えるものである。ただし、R指定のかかった残忍な方法で自分の命も奪われる。
>ベスガチョ
大昔のサメの仲間である。鋭い尾びれを鞭のように使い獲物を狙う。
>スポテッドラットフィッシュ
空中を滑空するように優雅に泳ぐ。乗り心地もよく、氷山見学ツアーなどの案内役として活躍している。
北極海・南極海
極寒の地、普通の生き物では到底生きていけない環境の中でも生きる者がいる。古代から多くの魚達がこの地に安住を求めたがその多くは成し得なかった。
>ブルヘッドノトセン
常に怒っている。本人曰く、「怒っているんじゃない!生まれた時からこんな顔なんだ!!ぷん!!!」との事・・・。どうやら生まれた時から怒っている様である。
>アークティックコッド
細長い体からひらひら大きなヒレを持つ。そのため思いの外水を掻く力が強く、海流の強い所では荷物を運んだりする頼りになる力持ちである。
伝説の大海賊キャプテン・フックによれば、七つの海には七つの文明があった。現在も海底で独自の文化を築いている太平洋のムー、大西洋のアトランティスなどはその末裔である。それぞれの文明には一つづつこの世に一つしかない秘宝が隠されていて、七つ全てを手にした者は世界の全てをも手にする事が出来ると言う。その言葉を信じ、幾多の冒険者が海に乗り出し散っていった事は幾多の悲劇によって語られている。