>>旅立つ者たち
広大な海の上に浮かぶ五大陸を股に駆ける強力な肉体を持つ強者共の群れる世界を再現している。
入り口付近の中水槽には野蛮で凶暴なサメ類が入れられている。
>アカシュモクザメ
見る者はその異様な頭部にまず驚くであろう。これは別名「金槌頭」とも呼ばれ、水中での大工仕事には欠かせない奴である。しかし、気性が荒いので一度怒らせると仕事が続けられなくなる。
>トビエイ
ひらひらと体をなびかせながら水中をゆっくりと泳ぐ。成長すると十メートル以上にもなり海中バスとしてしばしば利用されているが、足は相変わらず遅い。その名のとおり空中を飛ぶ姿も目撃されている。
>スミツキザメ
割と一般的にサメと言われて一番思いつくタイプの奴である。しかし、得てして普通のというのが一番恐ろしかったりもする。例に漏れず、こいつもかなり凶暴だ!水中のギャングとしても有名である。
水族館全体の核の部分でもある円管状大水槽。ここには海中交通には欠かせない巨大魚が輝き群れている。海上国際交通として重要な役割を持ち、極度に発達したアスリートたちである。
>クロマグロ
銀色に輝くその肉体の美しさに目を奪われる人も多いはず。食材としても重宝され、昔から世界各国の一流料亭で好まれる絶品でもある。推進方式に、長距離高速移動用にひれを閉じ、水による抵抗を極限まで無くした紡錘航行モードと旋回時や餌の採取時のひれを開き小回りをきかせた近海停泊モードの2種類の航行形態を持つ。
>カツオ
言わずと知れた磯野家の長男である。イタズラ好きでちゃっかりしているが、やさしい一面も持つ。
>マンボウ
この魚は謎に包まれている。一説に寄ればフグが膨れ過ぎた物であるという説もあるが、信憑性には欠ける。そのライフスタイルの通りのんびりし過ぎていてよく水槽のガラスに頭をぶつけているおっちょこちょいである。しかし、それでただだまっているだけでなく今の自分から脱却したいようでもあり上下のひれを交互に動かして泳ぐ様は自分の中の何かを否定している様にも見える。
我々が海中交通にて世界各国に旅立つ上で彼らは欠かせない存在である。古くからの西欧の海旅行者の言い伝えでは彼らは常に旅立ちとともにあり、そして別れを告げるものである、とある。近年の機械魚達の進出も目覚しいが、彼らの海を利用する上での神聖な役割にも改めて目を向ける必要があるのではないだろうか?