園長からのごあいさつ

1989年(平成元年)10月10日に開園した葛西臨海水族園は、今年、2019年(令和元年)、開園30周年を迎えます。これまでご来園くださった皆さま、応援してくださる皆さまに感謝いたします。
年間を通して、さまざまな記念グッズ、メニューの開発・販売、そしてガイドツアーや各種イベントなどをご用意して、この特別な年を多くの皆さまと共有したいと思います。ぜひ開園30周年の葛西臨海水族園にお越しください。

葛西臨海水族園
園長 錦織一臣

30年のあゆみ

1882年

上野動物園内に建設された日本最初の水族館「観魚室(うをのぞき)」が葛西臨海水族園のルーツです。その後、水族室、海水水族館、上野動物園水族館を経て、現在の葛西臨海水族園へつながっていきます。


1901〜1990のあゆみを見る
1929年

水族室新設


1952年

海水水族館開館


1964年

上野動物園水族館開館


1989年

上野動物園100周年記念事業として計画された葛西臨海水族園が開園。当日の入園者数は23,344人。混雑により午後3時には入園を打ち切るまでになりました。


1990年

モントレー湾水族館と友好提携


1991〜2000のあゆみを見る
1991年

オスが自分の額に卵塊を付けて保護するナーサリーフィッシュ。水族園では1991年以来展示を続けています。繁殖のようすをお見せできるよう日々努力中です。


1992年

バルセロナ動物園水族館と友好提携
前身の上野動物園水族館閉館


1996年

葛西臨海水族園がホスト館となり、第4回世界水族館会議を開催。テーマは「グローバルチャレンジ:共生・水の惑星」。世界28ヵ国、500名を超す参加者により活発な議論が交わされました。
入園者2,000万人達成!


1999年

この年の8月、世界で初めてクロマグロの水槽内産卵に成功。産卵は閉園後に起こったため、観察できたのは飼育担当者など一部の人だけでした。写真は産卵直前の追尾行動のようすで、体色を黒化させたオスが右側のメスを追いかけています。


2000年

ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)と友好提携


2001〜2010のあゆみを見る
2002年

アカハライモリの保全活動を開始


2003年

葛西臨海水族園が位置する東京湾奥部にはトビハゼの貴重な生息地が残されています。その個体群の生息域内保全のため、継続的に調査活動をおこなっています。


2004年

トビハゼの繁殖に成功


2005年

年間パスポートの販売を開始


2007年

ミツクリザメを展示
東京シーライフボランティアーズ(T.S.V.)活動開始
クロマグロ飼育最長記録個体死亡、飼育期間2200日で過去最長記録


2008年

この年の7月から8月にかけて、ほぼ毎日クロマグロの産卵を観察。生まれた卵の遺伝子を調べると、少なくとも6個体が産卵していたことがわかりました(一度に産卵されたクロマグロの卵。約150万粒あります)。


2010年

上野動物園から受け入れたオウサマペンギンを展示開始


2011〜現在のあゆみを見る
2012年

「しおだまり」リニューアルオープン
「ドリームナイト・アット・ザ・ズー&アクアリウム」を初開催
小笠原諸島にてユウゼンの生態調査開始


2013年

オセレイテッドアイスフィッシュの水槽内産卵に成功
ニホンコウノトリとタンチョウの展示開始
夏の開園時間延長イベント「Night of Wonder」開始


2014年

機関誌「Sea Life News」を14年ぶりに復刊
ウチワエビの生活史全段階を同時展示
「タッチンフィーリン」リニューアルオープン
クロマグロ飼育最大記録個体死亡(全長194cm、体重158kg)
フェアリーペンギンの人工育すう個体を展示
「東京の海」エリア展示改修
入園者5,000万人達成!


2015年

「情報資料室」リニューアルオープン
「大洋の航海者 マグロ」水槽で展示生物が大幅に減少
「北極・南極の海」コーナーリニューアルオープン
移動水族館本格活動開始
モナコ海洋博物館と友好提携


2016年

12年ぶりとなる南極採集
「大洋の航海者 マグロ」水槽の展示回復
「深海の生物」展示改修 以降解説パネル多言語化に取り組む
メンダコが水槽内でふ化
国立極地研究所と連携協定を締結
「浮遊生物」コーナーオープン


2017年

「世界の海」エリア展示改修
「発光生物」コーナーオープン
保全の一環として小笠原諸島のカタマイマイの飼育を開始
北海道羽幌町天売島にて海鳥類の生態調査を開始
アンタークティックトゥースフィッシュの標本展示を開始


2018年

シャルコーズドラゴンフィッシュを初展示
水産研究・教育機構と包括連携協定を締結
第10回世界水族館会議プレイベント実施
北海道羽幌町とパートナーシップ協定を締結


2019年

10月10日 開園30周年!!!


これから

葛西臨海水族園は開園以来、ずっとチャレンジを続けてきた水族館です。それは今も、そして、未来も続けていくでしょう。
葛西臨海水族園には世界初や日本初がたくさんあります。クロマグロの群れ展示もそう、多くの動物種の飼育下での繁殖もそうです。だれも、どこもできていないことにチャレンジし続けてきた結果です。全力で取り組んで失敗して、反省して考えて、努力して工夫して、また失敗して、それでも続けてきたからこそ、多種多様な飼育展示ができ、維持できているのです。今、目の前にしている「いつもの展示」はそうしてつくられてきました。
葛西臨海水族園は完成した水族館ではありません。まだまだ途上の水族館です。海洋環境の保全や動物福祉に今まで以上に配慮しつつ、シードラゴン類やナーサリーフィッシュなどの繁殖、外洋性サメ類・カジキ類や深海生物の飼育展示など、これからもご来園くださる皆さま、応援くださる皆さまにワクワクを届けられるようチャレンジを続けていきます。

比べてみよう水族園今昔

アクアシアター
開園時の水槽には小型のマグロ類が泳ぎます。光や溶存酸素といった飼育条件について試行錯誤を重ね、大型のマグロ類の群れ展示に成功しました。
「海藻の林」水槽
展示種をアラメ、カジメなど中・小型海藻から大型海藻のジャイアントケルプへ。さらに水流、光などを工夫することで、うまく育つようになりました。
「水辺の自然」エリア
さまざまな植物が生え、昆虫、両生類など多様な動物が集まるように。展示のコンセプトである「開発される前の東京の水辺環境」により近づきました。