18歳になった高齢の黒ヤギ「チョコ」の日々のケア
2026年11月2日
高齢の黒ヤギの「チョコ」(オス)のケアについて、今年(2026年)の2月にご紹介しました。チョコは、2026年10月17日にめでたく18歳を迎えることができました。ヤギは寿命が12年ほどと言われているので、チョコはかなりの高齢個体になります。今回はチョコの夏のようすや近況をお伝えします。
チョコは日向ぼっこが大好きで、よく日の当たるお気に入りの場所でのんびりしています。しかし、昨今の酷暑は高齢個体には堪えるものがあります。とくにチョコは毛が黒いので、ほかの白い毛のヤギたちに比べ日が当たるとすぐに体が熱くなってしまいます。
そのため、夏のあいだはチョコが屋外ですごすのは比較的涼しい午前中のみとしました。外に出ているあいだは飼育係が日陰に誘導したり、先端にチューブをつけた注射器で水を飲ませたりしながら小まめに暑さ対策をしました。また、首には保冷剤入りのタオルを巻いて、少しでも長い間外にいられるようにしていました。そんなケアをすることで、今年の酷夏もなんとか乗り越えることができました。
同時期に、チョコの胸元が擦れて毛が薄くなることがありました。夜間は座ってすごすことが多いため、床ずれになり始めていたのです。そこで、これ以上悪化しないように薬を塗り、その上から服を着せて擦れを防ぐことにしました。また、寝床にはクッションマットを敷くことで地面に接している箇所の負担の軽減をしました。
その甲斐もあり、床ずれの進行を食い止めることができました。現在も予防のために服を着せていることがあります。ちなみに、着ているのは動物園スタッフTシャツのおさがりです。汚れも落ちやすく、通気性に優れた素材なのでチョコの治療にも最適でした。
最近は日によって足の調子に差があり、自分ではうまく立ったり座ったりできない日があります。そのため、飼育係が動作の補助をすることもあります。最初は座らせられることに抵抗が強く、数人がかりでようやく座らせて休ませることもありました。
しかし、最近ではチョコも慣れてくれたのか、かなり協力的になりました。チョコが本当に座りたいときは飼育係に身を委ね、座るのに協力してくれるようになったのです。
高齢動物のケアは特有の難しさや根気強さが必要だと感じます。日々変わる個体の体調や行動を細かく観察し、できることを探し続けています。長いあいだ、文化園を見守り、支えてきてくれたチョコが少しでも快適に元気に過ごせるように、今後も細やかなケアを続けていきます。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 石神〕

