ヤマネコ飼育係の動物日誌 No.8
2026年10月10日
これまで「ヤマネコ飼育係の動物日誌」では、ヤマネコのいろいろな行動や観察のポイントなどについてお話ししてきましたが、今回は「2026年夏のツシマヤマネコ」のようすをお伝えします。
井の頭自然文化園は、2000年からアムールヤマネコの飼育を始めました。その飼育技術を生かし、(公社)日本動物園水族館協会と環境省が協力して進める「ツシマヤマネコの保護増殖事業」に2006年から参画し、現在は2頭のツシマヤマネコを飼育しています。
ツシマヤマネコが生息する長崎県対馬市で保護された「キュー」(オス、推定17歳)と、福岡市動物園生まれの「フユト」(オス、17歳)です。
キュー
フユト
キュー
キューは対馬で保護されたあと、福岡市動物園へ移動し、2022年に文化園にやってきました。福岡では繁殖にも取り組み、多くの子どもが生まれました。キューは、ツシマヤマネコの飼育下での個体群の形成に大いに貢献しています。
文化園ではバックヤードで飼育されていますが、食欲も旺盛で、この夏も元気にすごしました。
キュー
フユト
2012年に九十九島動植物園からやってきたフユトは、朝から展示エリアをウロウロして笹についた自分のにおいを確認したり、来園者の姿を追ったり、時には日差しをよけて茂みに身を隠したりしながらすごしていました。暑さ対策として、室内と屋外とを出入り自由にしていましたが、室内にいても外のようすを常に気にして、ウロウロと歩き回っていました。
フユト
2頭は15歳を超え、加齢にともなって歩き方や俊敏さは若いときより衰えましたが、今年の夏も元気に乗り切りました。これからも全国のツシマヤマネコたちの先頭に立って、東京から希少動物の普及啓発に貢献してほしいと思います。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 唐沢〕

