寒い地域にすむフクロウ

2026年9月26日

暑さのピークはすぎ、朝晩は涼しい季節となりました。今回ご紹介するのは暑さとは真逆の寒い地域にくらす生きものです。

井の頭自然文化園では、寒い地域に生息する「シロフクロウ」を飼育しています。野生のシロフクロウは、夏でも日本より気温が低い北極圏のツンドラ地帯でくらしています。しかし、近年、日本では気温が高くなる時期が早まっており、東京では今年(2026年)の5月中旬に気温が30℃を超える日がありました。シロフクロウを飼育している園内の屋外展示場も、夏場には30℃を超えます。そのため、毎年気温が高くなる前に、屋外展示場から冷房が完備された屋内展示場へ移動させています。

今年は5月18日に移動しました。秋になり、気温が落ち着いて涼しくなったころに、屋外展示場へ移動する予定です。

なお、移動のために捕獲する際には、獣医師による健康チェックをおこない、体重や肉付きなど異常がないかを確認します。

移動後の室内展示場のようす
移動後の室内展示場のようす

ところで、フクロウといえば「夜行性」のイメージをもっている人が多いと思います。シロフクロウが生息する北極圏では、夏は夜になっても日が沈まない「白夜」が見られる地域があります。白夜とは夜になっても完全に暗くならず、一晩中明るい状態が続く自然現象のことです。シロフクロウは白夜となる夏に繁殖期を迎えるため、明るい時間でも狩りをおこなうと考えられています。開園時間中に展示場をのぞいてみると、活動しているようすが見られるかもしれません。

次に、観察のためのポイントを紹介します。まずえさのネズミは毎朝、掃除が終わったあとに与えていますが、すぐには食べず、飼育員がいなくなったあと、開園時間中に食べています。食べ始める時間は私も把握しきれていませんが、午後から夕方にようすを確認するときにはえさが少なくなっていることが多いです。

また、屋内展示場をよく見ると、高い止まり木がありません。多くのフクロウは木の枝などを止まり木として利用しますが、シロフクロウの生息する北極圏ツンドラ地帯には大きな樹木はほとんど生えていません。そのため、屋内展示場には丸太や止まり木を低めに設置しています。

高い位置にあるフクロウの止まり木
高い位置にあるフクロウの止まり木

当園のシロフクロウは飛ぶことができますが、地面を歩いたり、止まり木の上を移動したりする姿を見ることが多いかもしれませんね。

現在、屋内展示場では、タイミングがよければえさを食べるようすや、止まり木を移動するようす、水浴びのようすを見られることもあります。この機会にじっくり観察してみるのはいかがでしょうか。

シロフクロウの止まり木
シロフクロウの止まり木
丸太に乗るシロフクロウ
丸太に乗るシロフクロウ

〔井の頭自然文化園飼育展示係 鈴木〕