鳥たちの衣替え──「換羽」(かんう)ってなんだろう
2026年7月27日
みなさんはふだん生活していて、鳥の羽が落ちているのを見かけたことはありませんか?
毎年7~8月ごろになると、井の頭自然文化園のヤマドリ舎、和鳥舎の展示場では、地面に落ちている羽をよく見かけます。
鳥がバタバタと動くことで抜けた羽の可能性もありますが、「換羽」(かんう)という、羽の生えかわりを迎えているサインかもしれません。
多くの鳥は、繁殖や子育てを終えた夏ごろに、古くなった羽が新しい羽へと生えかわります。羽は私たちの髪の毛や爪と同じで、一度傷つくと修復することができません。羽には飛ぶことや体温を保つこと、雨や風から身を守ることなど、さまざまな役割がありますが、日々の生活のなかで少しずつ傷み、その機能を失ってしまいます。そのため、定期的に新しい羽へ生えかわる必要があるのです。
すべての羽が一度に抜けてしまうと飛べなくなるため、一部の鳥類を除いて、多くの鳥は少しずつ羽が生えかわります。換羽の途中では、新しい羽がまだ生え揃っていないので、羽の並びかたが乱れ、うまく飛ぶことも難しくなります。また、換羽には多くのエネルギーを必要とするため、この時期、鳥たちはじっとして、ひっそりとすごします。
7~8月の換羽の時期に展示場の掃除をしていると、毎日のようにさまざまな羽が落ちています。落ちている羽の形や大きさをみると、「風切羽」(翼にある飛ぶための羽)や「尾羽」(お尻のあたりにある長い羽) など、今どの部分の羽が生えかわっているのかを知ることができます。
また、鳥たちの羽が落ち始めると、「今年も繁殖期が終わり、換羽の季節が始まったな」と感じます。飼育係にとって換羽は、季節の変わり目を教えてくれる一つのサインでもあります。
展示場に落ちている羽を見かけたら、ぜひ鳥たちの姿にも注目してみてください。どこの部分の羽が生えかわっているのか、換羽が終わるまでひっそりとすごしているのかなどと想像しながら観察すると、ふだんとは違った視点で鳥たちを見ることができるかもしれません。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 安藤〕

