季節問わず水浴び?! カピバラの「なえ」
投稿日:2026.03.29
更新日:2026.03.29
カピバラは、南アメリカ大陸のパナマ東部からアルゼンチン東部にかけた水辺近くの森林や草原にくらしています。水辺は水草などのえさを食べたり、暑さをやわらげるために水浴びをしたりする場所であり、ときには敵に襲われた際に泳いで逃げこむ避難場所としての役割もあります。
そして、カピバラは排泄も水中でする習性があります。これは敵から自分の臭いを隠すためと言われています。
井の頭自然文化園で飼育しているカピバラの「なえ」(オス、3歳)も、放飼場の大きなプールを排泄の場所にしています。午後にプールを覗くと、ぷかぷかと浮かぶ深緑色の糞がきっと見つかるでしょう。たとえ冬の寒い日であっても、必ずプールの中で排泄をします。
ただし、なえも冷たい水に入ることは好まないようで、足の先だけ水につけて”用事”を済ませ、早々にプールを出ていきます。「わざわざ冷たい水に入ってしなくてもいいのでは?」人間はそう思うかもしれませんが、カピバラにとっては身を守る大切な習性なのでしょう。
冬でも、たまにある暖かい日には、なえがプールに潜ることがあります。暖かいと言っても冬なので、水が滴るカピバラをみると寒そうに思えるかもしれません。濡れたままでは体が冷えてしまいそうですが、カピバラの毛はタワシのように硬くてゴワゴワしているため水をほとんど含みません。
また毛の密度も地肌が見えるほど低く、水から上がったときに体をブルブルと震わせ、暖かい太陽の下や小屋に用意されたヒーターで体を温めれば、あっという間に乾くのです。
今年もまもなく春の盛りになります。温暖な南アメリカの水辺を生活の場としているカピバラにとって、暖かくなるこれからは嬉しい季節です。ぜひ行動をじっくり観察してください。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 沼倉〕
(2026年03月29日)

