おしゃべりなニホンリスたち
投稿日:2026.03.27
更新日:2026.03.27
ニホンリスたちのおしゃべりを聞いたことがありますか?
「リスの小径」では、リスたちのいろいろな鳴き声を聞くことができます。一番観察しやすいのは、こんな鳴き声です。
「キュー、キュー」と、断続的な鳴き声がしばらく続きます。
最近おこなわれた研究によると、これは警戒するときに出す声であることがわかっています。観察された野生のリスたちは、この鳴き声が聞こえるとその場で動きを止め、地面にいる場合でも木に駆け上がって逃げたりせず静止し、場合によっては草むらに飛び込んだりしたそうです。さらに、イヌやネコに対してもこの声をあげることがあったようですが、どちらかというとカラスやタカなどに対して発することのほうが、より多く確認されました。これらのことから、この「キュー、キュー」という声は、地上にいる捕食者よりも空からリスをねらう捕食者である鳥類に対して発せられる声であると考えられました。
(じつはこの声以外にも、地上にいる捕食者を警戒するときに「ピュッ、ピュッ」と聞こえる声を出すことが報告されていますが、残念ながら動画で撮影できていません。ぜひ「リスの小径」でチャンスをうかがってみてください。)
このほかにも、恋の季節である冬から春にかけて聞こえる声もあります。
とても高い音で「チュンチュンチュン……」という声がたくさん聞こえると思います。これは小鳥ではなく、リスの声です。とくに朝早い時間に聞こえてくることが多いです。
ときどき「ピーピー」という大きな声が聞こえてきます。オスがメスを追いかける際などによく聞かれる声です。
巣箱の外にいるのがオス、巣箱の中にいるのがメスです。最初にオスが「グーグー」と喉を鳴らすような低い声を出したあと(4秒ごろ)、追いかけあう際の声にも似た「ピー」という声を出しています(7秒ごろ)。さらに声だけでなく、オスは終始後ろ足を小刻みに動かし、尾を左右に大きく振ったり、顔を巣箱にこすりつけたりしています。はっきりとしたことはわかりませんが、繁殖に向けたアピールであると思われます。
このように、リスたちはいろいろな声を使ってお互いにコミュニケーションをとっています。ニホンリスの音声コミュニケーションについては分かっていないことが多く、ここに挙げた以外にもまだまだいろいろな方法でコミュニケーションをとっているはずです。あなたも「リスの小径」で耳をすまして、リスたちのおしゃべりを盗み聞きしてみませんか?
Tamura, N., Fujii, Y., & Imai, K. 2024. Structure and function of the vocalization of Japanese squirrels, Sciurus lis. Mammal Study, 49(1), 3-18.
〔井の頭自然文化園飼育展示係 大河原〕
(2026年03月27日)

