「ヤマネコ飼育係の動物日誌」
[※]では、ヤマネコのいろいろな行動や観察のポイントなどについて紹介してきました。今回はアムールヤマネコ3兄弟の観察力に注目します。
展示場では、動物たちのお気に入りの場所や決まった行動などを観察できますが、午後2時を過ぎる頃になると、切り株に登ったり、周囲をキョロキョロと見渡したりするすがたを見ることができます。兄弟が互いの動きを気にしたり、写真を撮る来園者の姿を眺めたり、時には空を飛んでいく鳥を目で追ったりしますが、もっとも関心があるのは「どの飼育係が前の園路を通るのか」ということのようです。
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| 切り株に登っている別のヤマネコを気にする2頭 | 草の陰から外をうかがうヤマネコ |
「あっ、あの人か……今日はあの人ではないな……」、そんなことを考えているのか、飼育作業の移動中に自転車に乗って前を横切るたくさんの飼育係を、じっと見つめています。
私はヤマネコのほかにニホンリスの飼育をする日があるのですが、本園の奥に位置するリスの展示場に向かうため、3兄弟の前を行き来することがあります。3兄弟は少し離れた場所からでも自転車に乗ってやってくる人を見分けているようで、前を通るときに私が声をかけると、こちらに顔を向けて視線を送ってきます。「私が通ったあと、しばらくすると自分たちのえさの時間になる」ということを、把握しているのかもしれません。
動物たちは、我々の飼育作業などのさまざまな動きを毎日見ながら過ごしています。彼らの識別能力や視力などは、侮れません。

切り株に登ったヤマネコ
〔井の頭自然文化園飼育展示係 唐沢〕
^ ◎動物日誌
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(2026年01月07日)