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いつカエルになるの? ツチガエルのオタマジャクシ
 └─葛西  2011/04/22

 葛西臨海水族園では、「水辺の自然」コーナーの淡水生物館でツチガエルを展示しています。

 ツチガエルはイボガエルとも呼ばれ、背中や足にたくさんのいぼ状突起があるのが特徴です。捕まえると皮膚からいやなにおいの粘液を出すといわれていますが、私はなぜかツチガエルをさわって臭いと感じたことはありません。

 2011年4月2日から、展示水槽でツチガエルが産卵をはじめました。野外での繁殖期は5月から9月頃とされています。卵は1ミリメートルほどの小さいものでした。

 現在は孵化したオタマジャクシが水槽内を泳ぐ姿が見られます。孵化したばかりのオタマジャクシは全長5ミリメートルほどで、しばらくはお腹に残っている卵黄の栄養で成長します。

 ツチガエルはオタマジャクシの期間が長く、多くはそのまま冬を越しますが、一部は孵化した年にカエル(成体)になるものもいます。水族園でも、昨年孵化し、すでにカエルになった個体もおり、裏側で飼育しています。

 水族園では、オタマジャクシにはゆでた小松菜などを餌として与えていますが、カエルになると昆虫など生きているものしか食べないため、コオロギを飼育して生きた状態で与えています。

 淡水生物館では、昨年春に生まれたツチガエルのオタマジャクシも別の水槽で展示しています。その大きさは、現在5センチメートル前後です。

 昨年生まれたオタマジャクシをよく見ると、後ろ足が生えているものもいます。この後、前足が生え尾が吸収され短くなると、一気にカエルらしい姿になります。ツチガエルのオタマジャクシがカエルになるのももうすぐなので、毎日オタマジャクシから目が離せません。

※ツチガエルの出す分泌物はヘビの捕食を避ける効果があるようです。その研究を紹介した記事が、「どうぶつと動物園」最新号(2011年春号)に掲載されています。
最新号目次

写真上:ツチガエル
写真中:2010年春に孵化したオタマジャクシ
写真下:2011年4月に孵化したオタマジャクシ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 戸村奈実子〕

(2011年04月22日) 



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